表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/35

プールに行こう!

プールに行くことになったが?

 課題も終わり、夏休みも中間にさしかかる頃、創也(そうや)から電話がきた。


『あ、幸多(こうた)?』

「うん。どうしたの?」

『今日空いてるよな?』

「え? ……まあ──」


 部活に入ってるわけでもないので、用事もない。


『じゃあ、プール行くぞ』

「プール?! 何で?」

『泳ぎたいだろ? 野上(のがみ)たちも来るぞ』

「野上さんも?!」

『そ。来るだろ?』

「もちろん! 準備してくる!」


 携帯を切って、クローゼットの中を漁る。


「水着あるかな──あった!」


 ちょっと、古臭い? まあいっか。

 リュックに色々詰め込んで、家を出た。


         *


「はあ……暑い──」


 セミがこの前より騒がしく鳴いている。というかうるさい。


「創也──」

「よ。来たか。唐崎(からさき)たちは、先行ってるって」

「そっか。楽しみだな」

「水着が?」

「なっ?! 違っ……」


 でも見たくないと言えば嘘になるし……


「……わないけど////」

「そりゃ男子だもんな──」


 と創也が笑う。

 なんだよ……


「そういう創也は唐崎さんの水着が目当てなんじゃないの?」

「はっ?! なわけないだろ//」

「怪しい──」

「っ……//行くぞ──」


 と創也は先を歩いていく。

 

「はいはい──」


 照れを隠す創也がちょっと面白くて、おれは苦笑いした──


         *


 朝丘(あさおか)プールは広く、家族やカップルが多く訪れる。

 とりあえず水着に着替えて、創也が唐崎さんと決めた待ち合わせ場所に行くと、かき氷屋の前で唐崎さんがオロオロしていた。


「待たせた。野上は?」

「まだ来てないみたい……」

「一緒に来たんじゃないの?」

「ううん。今日は由里葉(ゆりは)が遅くなるから、別々で来たの。迷子かな……」


 と唐崎さんが不安げに胸の前で手を組む。


「場所知ってるんだろ?」

「そうだと思うけど……広いし──」

「今日暑いよね……」

「とりあえず探そう。ここ呼び出しとかないから」

「そうだね! 唐崎さんは待っててもらって、おれらで探そう」

「ああ」

「わかった……」


 唐崎さんをかき氷屋の前に残し、創也と別れた──


         *


「暑い……」


 汗が滲み出る。

 野上さん、大丈夫かな……

 ふと空を見ると、太陽がまぶしかった。


「熱中症になってないといいけど……」


 周りを見ながら探す。

 カップル、家族、子ども……

 野上さんは見つからない。


「どこだ──?」


 その後も、色んな出し物をやってる屋台を覗いたり、唐崎さんの所に戻ったりしたけど、野上さんはいなかった──


         *


「はぁ……っつい──」


 探し始めて数十分……。

 脱衣場の近くで、少し休憩していた。


「……はぁ──野上さん……」

松木(まつき)くん……?」


 後ろから、聞き慣れた声がした。


「え……?!」


 振り返ると、水色のビキニを着て薄い白のパーカーを羽織った野上さんが、少し首を傾げていた。


「ごめんね、遅くなって──」

「よかった……」

「え?」

「今日暑いから、熱中症になってたらと思って……」


 あー……よかったぁ──

 思わず笑顔がこぼれた。


「……//」

「大丈夫? 野上さん顔赤いよ?」

「え……//? 大丈夫だよ//今日暑いから……」


 と野上さんは顔を触る。


「そっか……なら──」


 フラッと、立ちくらみがした。


「松木くん!」

「あ……ごめん──ちょっと水分とってなかったから……」


 危なかった……。野上さんに倒れるとこだった──


「ちょっと待ってて──」


 と野上さんは言うと、サッと走って行った。

 少しすると、缶ジュースを持った野上さんが戻ってきた。


「ごめんね、松木くん。はい──」


 スポーツドリンクをもらった。

 嬉しい……//


「ありがとう──冷たい……気持ちいい」


 おでこに当てて、目を閉じる。

 あぁ……生き返る──

 それを飲んで、野上さんと待ち合わせ場所に向かった──


         *


「由里葉!」

「ごめん、(まつり)ちゃん。遅くなっちゃって……」

「ううん! よかった──」


 唐崎さんは満面の笑みで、頷いていた。


「お。居た──」


 創也も戻ってくる。

 汗が滲んでいた。


「ごめんね、矢倉(やぐら)くんも……」

「いいよ。合流出来たんだし」

「じゃ、泳ご! もう暑すぎ」

「そうだね! 泳ごう!」

「うん」

「ああ──」


 その後は、思い思いにプールを楽しんだ。

 創也と唐崎さんも、少しずつ距離が縮んでいる感じだし、野上さんも楽しそうだった。

 でも、日焼けしたところが痛いのは、ちょっとツラい……──

 





次回も夏休み中のお話。

どうだったでしょうか、

感想批判評価などなど、よろしければお願いします(_ _)

すると喜びます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ