課題とジュースと赤い顔
お久しぶりです。
課題のお話。
セミが騒がしく鳴いている。
今は、創也と野上さん、唐崎さんと朝丘図書館に来ている。
そして、課題をやるためにフリースペースを借りていた──
「とりあえず、あと何が残ってるかだな。俺は、英語だけ」
創也が英語のワークを机に出す。
「おれは、国語」
「わたしは数学」
「うちは、読書感想文」
「読書感想文? それ家で出来るだろ」
と創也が唐崎さんに言う。
「家だとマンガ読んじゃうからダメなの」
「ぷっ──」
「何笑ってんの?! 矢倉!」
「別に……」
と創也が笑いを堪えている。
仲良いな……。
「松木くんは、国語だけ?」
「え? あ、うん。そう」
急に話しかけられて、びっくりした──
「野上さんは数学だけ?」
「ううん。祭ちゃんと一緒。読書感想文もかな」
「そっか」
「うん。……よかったらなんだけど、数学教えてくれる?」
「いいよ。わかる範囲でなら──野上さんも国語教えてくれる?」
「もちろん──」
パアッと笑顔になって、おれはドキドキする。
「ありがとう//」
「こちらこそ//」
「なんか、そっちはそっちで盛り上がってるから、唐崎は俺とやるか」
と創也が唐崎さんに言う。
「え? あ……うん//……でもうち英語わかんないよ?」
「いいよ。逆に教えるから」
「ほんと? ありがとう」
「どういたしまして……//」
若干、創也の顔が赤く染まって見えた。
「じゃあ、とりあえず三十分やろう!」
「そうだな──」
野上さんとおれ、創也と唐崎さんは、向かい合って始めた──
*
始めてから三十分と少し。
集中力が切れた──
「ちょっと休憩。ジュース買ってくる。野上さん何飲みたい?」
「いいの?」
「うん」
「じゃあ……松木くんと一緒で」
「わかった──」
チラッと創也たちを見ると、唐崎さんがへばっていた。
「唐崎、あとちょっとだぞ」
「休憩〜」
「ジュース買ってくるけど、創也たちどうする?」
「あ、うちも行く──」
と唐崎さんが勢いよく立ち上がる。
「あ。唐崎、逃げんなよ」
「わかってますよ〜」
「幸多、俺炭酸な」
「わかった──」
笑って唐崎さんとその場を後にした──
*
「由里葉、今日楽しみにしてたんだよ──」
自販機から、ジュースを取りながら唐崎さんが言う。
「部活中もなんか浮かれてて。何浮かれてんの? って聞いたら、何て言ったと思う?」
「……何?」
「教えない」
「じゃあ何で聞いたの?!」
気になるじゃないか!
「ふふふ──そういえば、由里葉たち何話してるんだろうね」
「確かに……じゃなくて──唐崎さんは、創也のこと好きなんでしょ?」
ジュースを買って、唐崎さんを見ると、顔が赤かった。
「え? 何で////?! 何で知っ──由里葉かぁぁぁっ////」
と唐崎さんは顔をジュースで冷やす。
やっぱり、恥ずかしいんだ──
「何で言うかなぁ……//」
「はは//」
「何で松木が赤くなるわけ?」
「いやだって……//」
こんな近くに──
「おんなじ思いしてる人が居るって、何か心強いじゃん!」
「それもそっか……//」
「そうだよ! お互い頑張ろう!」
「ぷはっ。そうだね。頑張ろ──」
唐崎さんは笑って頷いた。
「じゃ、行こう──」
晴れやかな気分で、唐崎さんとフリースペースに戻った──
*
戻ると、野上さんと創也は話していた。
「はい。お待たせ──」
「ありがとう」
「サンキュー。遅かったな」
「ちょっとね──」
創也は少し訝しげな顔をして、ジュースを飲んだ。
「ふう……唐崎、続きやるぞ」
「ええ? もうちょっと休もうよ」
「ダメ。やるぞ」
「由里葉ぁ」
「頑張って」
と野上さんは笑う。
「うぅ……」
「頑張って!」
おれも応援する。
「松木くんも、やろっか」
「え? もうちょっとだけ……」
「だめ──」
ニコリと野上さんが笑った。
「……ですよね──」
その後、無事課題を終わらせ、次会う約束をした。
また、野上さんたちと会う日が楽しみだ──
次回から、イベントの話が多くなると思います。
どうだったでしょうか、
感想批判評価などなど、よろしければお願いします(_ _)
すると喜びます。