冷やし中華と休みの始まり
遅くなりました(_ _)すいません(_ _)
長い長い、校長の話も終わり。
高校初めての夏休みが始まる──
と言いつつ、まだ教室でぼんやりしているおれ……
「幸多、帰るぞ?」
「うーん……わかってるよ」
わかってるけど……
「課題がああぁぁ……」
さっき配られた課題を考えると、帰りたくない……
「多いよおおおぉぉぉ……」
「終わんなかったら手伝ってやるから」
「創也……!」
「あれ? まだ居たの?」
と唐崎さんが教室に入ってくる。
「料理研究部は?」
「今作り終えたとこ。これから食べるの」
「へえ! 何作ったの?」
「冷やし中華。食べにくる?」
と唐崎さんが笑って言う。
「結構いっぱい作ったから、たぶん大丈夫だと思うよ」
「ホント!?」
「うん。荷物まとめたら、ついてきて」
「うん!」
冷やし中華! 野上さんの手作りかも──
荷物をまとめて、ドアの前にいる唐崎さんの所に創也と向かう。
「じゃ、行こっか──」
「冷やし中華!」
「飯目当てかよ──」
と創也が呆れながら言ったのを、唐崎さんはプフッと笑った──
*
家庭科室は、大半の生徒が女子だった。数人男子もいる。
「失礼します。友達二人つれてきました。足りますよね?」
唐崎さんが、先輩と思われる髪の長い女子に話しかけていた。
「その二人?」
「はい。大丈夫ですかね?」
「いいわよ。感想ちゃんともらうのよ」
「はい。ありがとうございます!」
唐崎さんは笑って来ると、
「いいって。由里葉のとこ行ってて。持ってくから」
「俺手伝うよ」
「ホント? ありがとう//」
「どういたしまして。幸多は先行っててな」
「わかった──」
創也と唐崎さんはお互い笑って歩いていく。
野上さんは……居た。
エプロンしてる……! 可愛い──
「野上さん、前いいかな?」
近づいて、声をかける。
「松木くん? いいけど、どうしたの?」
「唐崎さんが、冷やし中華食べる? って誘ってくれたんだ。創也もいるよ」
「そうなんだ」
「うん──野上さんエプロン似合うね」
前に座りながら、野上さんに言う。
「ほんと? ありがとう//」
と野上さんははにかんだ。
「はい。お待たせ──」
すると唐崎さんと創也が持ってくる。
結構大きい。
「じゃ、食べよ──」
唐崎さんが野上さんの隣に座り、創也がおれの隣に座る。
「いただきます!」
「いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
皆で一口。
ん……──
「おいしい!」
「うん。うまい」
「やっぱり、夏は冷やし中華だよね」
「ふふ」
皆が笑う。いいな──こういうの。
「一つ提案があるんだけど」
そろそろ食べ終わる頃。創也が皆に言った。
「課題、皆でやらね? 幸多がさっき嘆いてたから。どう?」
「わたしは賛成。少しでも進めたいし……」
「いいけど、どこでやるの?」
唐崎さんがもっともな質問をする。
「図書館。朝八時から夜十一時までやってるとこの、フリースペースを借りる。勉強するって言えば、貸してくれるし」
「創也借りたことあるの?」
「前にな。どう?」
「そこって、朝丘図書館?」
「そう。近いよね?」
「うん。大丈夫」
「わたしも」
二人が頷く。
「じゃあ、そこで。日にちは……唐崎たちの部活が休みに入ったらでいいよな」
「うん──」
おれも頷く。
結構あった冷やし中華も、すっかり食べ終わった。
そのあとは、ちょっと話して退出した。片付けの邪魔になると言われた……。
でも感想をちゃんと言ったので、先輩らしい髪の長い女子は嬉しそうに頷いていた。
次に野上さんたちと会うのは、課題を一緒にやる日だ。
その日までには、ちょっとでも減らせるように頑張るぞ──
次回、課題を一緒にやるお話。
どうだったでしょうか、
感想批判評価などなど、よろしければお願いします(_ _)
すると喜びます。