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フレンド登録と東の森

4話目になります。

装備>>スキル

 <STR>Lv5 <SPD>Lv5 <VIT>Lv5 <INT>Lv5 <MIND>Lv5

 <DEX>Lv5 <補助>Lv2 <妨害>Lv3



 2時間ほどウサギを追い掛け回して、だいたい50匹ほど倒したのでスキルがだいぶ上がった。俺の戦い方もナイフで追いかけることはやめて、<妨害>の特技 《バインド》でウサギの動きを止めて3人の手伝いに集中した。《バインド》の効果が切れて急に動くウサギの攻撃や、モンスターの接近に気づかずに不意打ちを受けてしまった人のLPの回復も俺が《ヒーリング》を使って行った。

 2時間ほどといったが、ゲームを開始したのが10時で今が13時前。そろそろ一度ログアウトして昼食にするほうがいいだろう。


「もうお昼過ぎてるからそろそろ一度ログアウトしないか?」


 そうみんなに提案する。3時間近くゲームをしていたのだが、そこまで疲れはないのが不思議だ。画面を見ながらやるテレビゲームなんかはすぐに目や頭が痛くなるのに・・・


「もうこんな時間になってたのか、それじゃあこの場でログアウトしようか」


「町までもどらないのかい?」


「町に戻るメリットがないんだ。道具もなければ回復できるわけでもない。ちなみに町の外でログアウトする場合は戦闘行為から1分経過が条件だからモンスター見つけても攻撃しないでくれよ」


「了解」「あいよ~」「わかりました」


 俺はログアウトできるようになったが、その前に質問というか愚痴のようなものをマサトにする。


「なぁマサト、一つ質問していいか?」


「なんだ?」


「このゲームにはターゲッティングみたいな便利な機能はないのか?」


 そうこのゲームにはモンスターやプレイヤーをなどの対象を選択するための機能がないのである。はっきりいってこのターゲッティングの機能が有るのと無いのではかなりかってが違う。ターゲッティング機能が有ればあまり意識しなくても特技を使えばその対象に効果が出るのだが、このゲームにはターゲッティング機能が無いので最初から最後まで対象に意識を集中していないといけないのだ。なので特技を使いながら周りを確認する事ができないので、何度かウサギの不意打ちをくらってしまったのだ。

 ターゲッティング機能のようなものがあればこんなことにはならないはず、と思いマサトに質問したのだが


「俺も知らないから、無いと思うぞ」


「やっぱりないのか・・・。特技使いながら周りの確認なんてできねぇよ・・・」


「だからさっき不意打ちをくらってたのか。もしかしたら<発見>のスキルの派生にそんな機能があるかもしれないが、あまり期待しない方がいいぜ」


「了解。スキルポイントが手に入ったらとるかどうか考えてみる」


「おう、それじゃまた後で」


「また後で」


 そういって俺たちは一度ログアウトを行い。食事と休憩をとって15時前にフリスタの世界に戻ってきた。




 ログインした俺の目には、ログアウトした草原ではなく最初の町(廃町)の噴水がみえる。


「あれ?ログアウトしたのは草原だったよな??」


 周囲を見渡すと同じように周囲を確認しているミコの姿が見えた。とりあえず、ミコに近づき声をかける


「ミコもきたんだな。とりあえずここにいる理由をマサトのやつを探して聞いてみようぜ」


「わかりました。しかし、マサトさんはどこにいるのでしょうか?」


「あ~・・・」


 そういえば個人を探す方法なんて知らない。連絡する方法もわからない。そもそも最初に集まったのもそういう方法を俺たちが知らないからだ。

 どうするか2人で考えていると


「お前らここにいたのか。すまないなフレンドリストの登録を忘れてた」


 そう声をかけてくるマサトが近くにいた。




 俺たちはマサトに連れられて場所を東門に移していた。そこですでに東門にいたミサトと合流する。そこでフレンドリストの登録について説明を受けていた。


 マサトの説明をまとめると。フレンドリストというのは、そのリストに登録されている人物が現在ログインしているのかわかる機能と何処にいるのかわかる機能、後はその人物に『TEL』とよばれる電話をかける機能がある。

 フレンドリストの登録の仕方はお互を見ながら握手する。それで登録ができるらしいので早速俺たち4人はフレンドの登録を行った。


「それで、どうしてこっちにきたんだ?」


「ん?簡単に説明するとそろそろウサギ狩りじゃ効率が悪そうだなって思ったからこっちに来たんだよ」


「効率ですか?」


「そう、効率。あんまりガツガツしたくはないけど、休憩前の時点でたまにだけど1発当てたら倒せる事があっただろ?このゲームの場合なるべくスキルに関係した行動をたくさんした方がLvが上がるから、素材を集めるとき以外は少し強いモンスターと戦うのが一般的なんだよ」


「そうなのか・・・でもマサトは攻撃してないよな。大丈夫なのか?」


「盾の特技は<剣>と<手>で出るからな、実は特技使って攻撃を受け止めてるだけでスキルが上がるからたぶん一番レベルが高いのは俺だと思うぞ?」


「なんかずるいな・・・」


「そうでもないぜ?ダメージをもらわないとスキルのLvが上がらないから、ずっとウサギの相手じゃ上げづらくなって来てたし」


「ま、細かいことは気にせずに東門の外へ行こうじゃないか」


「そうだな。東門の外はすぐ近くに森があって、その付近から森の中がモンスターが沸く場所なんだ。ただ全員虫は大丈夫か?」


 そう俺たちに質問してくる。全員頷いて問題ないことを伝える


「問題なさそうだな。それじゃあ森の近くで戦ってみて、ある程度問題なさそうなら森の中に入っていこうか」


「わかった。しかし虫が苦手かなんていちいち確認するようなことなのか?」


「心の準備があるのと無いので、かなり違うとだけ言っておくよ」


 そんな会話をしながら俺たちは東門の外にある森へと向かった




「さて、森の近くに来たけど何処にもモンスターはいないな」


「マサト、戦い方はウサギのときと同じでいいのかい?」


「大丈夫だ。ただ、なるべくバラバラにならないで固まってた方がいいかもしれない」


「どうしてですか?」


「ここのモンスター、大体飛んで襲ってくるんだよ。ほらあんな感じで」


 そう言ってマサトが指差した方向から明らかに俺たちに対して敵意を持っていると思われる、1匹の蜂が飛んできている。ただしその大きさがおかしい。現実世界の蜂は大きくても5cmぐらいの大きさでも十分大きいと言えるのだが、どう見ても飛んできている蜂の大きさは1mほどの大きさなのだ。

 大きな体に相応しい、人の頭を丸かじりできそうな大きなアゴを開いたり閉じたりとしながら飛んでくる蜂の数は1匹。ただし、その大きさと妙にリアルな造詣のせいでゲームであってもあまり近づきたくはない。


「・・・なあマサト。ほんとにあれと戦うのか?」


「アトム諦めろ。この森は巨大蜂の『ファイタービー』と巨大な芋虫の『ランドワーム』しかいないぜ」


「まじかよ・・・」


「とりあえず倒してしまおうか、姉貴は近づくのがいやならミコと一緒に銃で攻撃してくれ。アトムは妨害と俺の回復だ」


「了解。《バインド》」


 俺は巨大蜂がマサトに攻撃を仕掛けるのを待ってから、動きを妨害する《バインド》を唱えてマサト以外に向かわないようにする。俺の《バインド》で動きが止まったのを確認してからミコとミサトがそれぞれ遠距離から攻撃する。


「《ファイアニードル》」 「《マナバレッド》」


 ミコの杖の先から火の玉が飛んでいく。それとほぼ同時にミサトの銃からは白い玉が飛び出し火の玉よりも早く巨大蜂の方へ飛んでいく。2人の攻撃が当たった巨大蜂のLPの3割ほどが削れる。《バインド》の効果で動けない巨大蜂は2人を攻撃したいのだろうが顔を向けるだけでその場でとまっている、そこへマサトが自分の剣を巨大蜂に向け


「《スラッシュ》《ハードアタック》」


 《スラッシュ》は<剣>のLv0で覚える特技で、一定時間剣での攻撃の威力を上昇させるというものだと聞いた。《ハードアタック》はおそらくLv5になったときに覚えた特技なのだろう。上から下へ赤い色の軌跡が見えたが、あまりの速度に剣自体は見えなかった。

 マサトの攻撃で残りが6割近くまで減少した。この調子なら問題なく倒すことができるだろう。俺は《バインド》の効果が切れそうになったら再び使って巨大蜂を動かさないことにだけ集中する。


 マサトが攻撃したからだろう、巨大蜂はミコ達の方へ移動できないのでマサトをそのアゴで噛み千切ろうと攻撃する。その顔を左手に持った盾で押し返しながら右手の剣で刺す。さらにマサトは自身の剣に火の属性を付与する《ファイアエンチャント》を唱えダメージを少しでも増やす。ミコ達は左右に分かれて斜線上にマサトがこないように注意しながら特技を使っている。ミコはその豊富な属性スキルのおかげでクールタイムを気にすることなく連続で特技を発動する。


 ミコが使えるのは<杖>と属性スキルを合わせた特技 《ファイアニードル》《アクアニードル》《アースニードル》《ウィンドニードル》。それぞれ属性は違うが、赤色の円錐、水色の円錐、尖った石、緑色の円錐が飛んでいくというものだ。これ以外に<杖>の特技 《バッシュ》というものがあるが、これは杖で殴る特技のため滅多に使うことは無いだろう。

 ミサトが使える特技は<銃>のLv0で覚える《マナバレッド》のみ。これは白い魔力の弾丸を銃から打ち出すというもので、属性スキルをとると《○○バレッド》というものが<杖>と同じように使えるようになる。


「コレでとどめだ!」


 そして戦闘開始から数分後、マサトの一撃でついに巨大蜂『ファイタービー』を倒すことができた。倒すことはできたが、今まで戦っていたホーンラビットよりも明らかに強く、とてもではないが連続で戦闘できそうには無い。


「・・・ちょっと、休憩しないか」


「私もお願いします。MPも半分ほど減ってしまいました」


「私はまだ7割ほど残ってるけど、休憩には賛成だね。あの蜂強すぎるでしょ」


「だな。それにテストのときはここまで強くなかったんだがな?ホーンラビットが一撃で倒せるプレイヤーがいれば10発も殴れば倒せるはずだったんだが・・・」


「ちなみに、お前の剣だとどれくらいでホーンラビットが一撃で倒せるんだ?」


「確か<剣>と<STR>が7もあれば初期の剣でも倒せたはずだ。そして今の俺が<剣>がLv5<STR>が7だ」


「さっき聞いてたからわかってた事だけど<STR>上がりすぎだろ・・・」


「盾で防いでるだけで<剣>と<手>が上がるからな。2つ分+倒した数で10までは一気に上がるんだよ」


「そういうものか・・・。っと話がそれたな、それで20発以上攻撃しないといけなかったってことは敵が強くなってるのか?」


「そういうことだろうな。これはここらでLv上げをして森の中には入らない方がいいな」


「森の中に入っても倒せるんじゃないのかい?」


「いや、今回は安全性を考えていくべきだぜ姉貴」


「その心は?」


「森の中はモンスターが多い」


「そりゃ行きたくないね」


 先ほどの戦闘で減少したLPを《ヒーリング》で回復した俺たちは、安全に『ファイタービー』を倒せるようになるまで森の外周部で巨大蜂を1匹ずつ倒していく。1匹倒すのに特技をたくさん使うのでMPの消費が激しいく、途中で何度も休憩しながら戦ったのだがウサギを探し回っていたときよりも早くLvが上がる。ウサギ相手だと1度の戦闘で特技を1人1回ぐらいしか使わないので探し回る分時間がかかるが、巨大蜂相手だと1度の戦闘で何度も特技を使うのでその分上がりやすいのだ。




 しばらく森の外周部で『ファイタービー』を倒していた俺たちの前で、俺たち以外のプレイヤーが森の中に入っていく。彼らは6人のパーティで杖を持った人物が1人とそれ以外の人は剣や槍などの近接武器を持っていた。


「なぁ、マサト」


「ん?どうかしたかアトム」


「あっちの方でさ、6人組みが森の中に入っていったんだけど大丈夫なのかな?」


「大丈夫だろう?ゲーム開始半日たってないのにフルメンバーが集まってるんだから、きっとテスター組みだろ」


「ここの敵ってテスト時よりも強くなってるんじゃなかったかい?」


「あ~・・・まぁ大丈夫だろう。むしろ彼らがテスト時の情報との違いを攻略ページにでも載せてくれる事を期待しようぜ」


「そういうものなのですか?教えてあげたりしなくていいんでしょうか」


 俺は納得できたが、ミコは納得ができなかったようだ。ネットゲームではマナーの悪い人間もいる。彼らがそうだとは言えないがその可能性もあるのだから、こういう人間もいるという一つの例を説明をミコにする


「彼らは自分らの考えでここ(東の森)に来たんだ、こちらの言い分が正しくてもそれは実際に戦ってみないと正しいかわからない。話を聞いた彼らが最悪狩場の横取りなんて言ってくることもある。さすがにこうなると面倒だから他人の行動にはパーティでもない限り関わらない方がいい場合もあるんだよ」


「そうですか・・・」


 俺の言葉にミコは少し不満そうにしていたが


「それに、彼らは俺らみたいに周りで一度戦ってみて中に入ったのかもしれない。つまり俺らより強くて心配する必要が無い場合あるしな!」


 マサトの言葉でなんとかミコも納得したようだった。


「それにしても、これじゃあボスとかも強くなっていそうだな・・・」


「「「ボス?」」」


 マサトのこぼした言葉に全員が首をかしげる。


「なんでアトムまでナニソレ?って顔しているんだよ」


「ネットゲームでボスモンスターなんてあまり聞かないからな。コンシューマーゲームみたいだなと」


「確かにストーリーがゲームにあまり関わらないとボスなんてださないか」


「それで、ボスってなんなんだ?」


「ボスってのはそのフィールドの一番強いモンスターで、家でやるゲームとかだとストーリーを進めるために倒さないといけない節目にいたりするな」


「いや、私もゲームはやったことがあるからそれぐらいは知ってるよ・・・。ミコも知ってただろ?」


「えっと・・・その・・・?」


 ミサトに話を振られたミコはミサトの方を見ようとしない


「ゲームやったことが無いって・・・よくフリスタやろうと思ったね」


「兄さんからのお誘いでしたから、それに里・・・ミサトさんとも遊びたかったですし」


 ミコの発言に顔を背けるアトムとミサト。そんな様子を見ながらマサトが一つ咳払いをする


「ゴホン。それで説明続けてもいいか?」


 そういってマサトは全員の集中を自分に向ける

誤字・脱字・質問などございましたらお気軽にどうぞ。

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