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ギルドにて

19話目になります


0時に間に合わなくて申し訳ないです。

「どんなクエストがあるんだろうな?」


「簡単そうなのを受けてみるか?」


「受けてもいいのですが、10時までに戻ってこれるでしょうか?」


 本日2度目のギルドへとやってきた俺たちは、さっそくクエストを見るために掲示板へと向かう。そこには5つほどのパーティが、これから狩りに行く予定を決めているのか、クエストを見ながら話し合っているようだ。話し合いをしている人たちの邪魔をしないように掲示板まで近づき触ってみるとウィンドウが出てきた。


 ウィンドウには5つのクエストが出ていた。討伐クエストが2つと、納品クエストが3つだ。


討伐クエスト

・ヒツジの退治

 アーカン北側にいるヒツジを5匹倒す

 報酬150C


・ウシの退治

 アーカン北側にいるウシを5匹倒す

 報酬150C



納品クエスト

・羊の毛の納品

 羊の毛を10個もってくる

 報酬100C


・牛の皮の納品

 牛の皮を10個もってくる

 報酬100C


・救命草の納品

 救命草を10個もってくる

 報酬100C



 討伐クエストの方が報酬が高く、数も少ないようだ。モンスターを倒すとそのモンスターがドロップするアイテムをランダムで1つ手に入るので、モンスターの素材の納品クエストをする場合は、その数以上のモンスターを倒さないといけないので、討伐クエストを多く受けたほうが短い時間で終わりそうだ。


 救命草というのは<発見>のスキルでフィールドで見つけるか、プレイヤーやNPCの店から買うかしないと手に入らない。効果はそのまま使えば『最大LPの5%分のLPを回復』だったはずだ。<道具>スキルで作ることができる『傷薬』という道具になると『最大LPの20%分のLPを回復』するようになる。


「・・・どれも時間がかかりそうだな」


「そうですか?討伐クエストの方なら時間もかからないのでは?」


「倒すだけならたぶん行って戻ってくるぐらいはできるんだが・・・」


 俺とマサトは今朝と昼過ぎに見たウシとヒツジの狩場競争を思い出して苦い顔をしているのだが、ミコは狩場のことまでは思いつかないようだ。


「まぁ、もしかしたら人が少なくなってるかもしれないし受けてみるか?」


「そうするか」


 俺とマサトが討伐クエスト2つを受ける。ミコも不思議そうな顔をしながらもクエストを受けたようだ。討伐しか受けないのは、納品の場合は持っていれば受けてすぐギルドのカウンターへ持って行くだけでクエストが完了するので、後でミサトに渡したものをもらって報告すればいいからだ。


「なあ!そこの蜂装備の3人ちょっといいか?」


 気を取り直して狩りに行くか。そう思ったところで俺たちを呼び止める声がした。声のしたほうを見ると、中学生ぐらいの5人組みのうち1人の男の子が手を上げているのが見える。どうやら彼が俺たちを呼んだようだ。


「俺たちに何かようか?」


 俺が聞くよりも前に、マサトが手を上げていた少年に近づきながらそう問いかける。とりあえず俺とミコもマサトの後に続いて彼らに近づいていく。というか1人背が高いやつだけ他所を見ているのはなんなのだろうか?


 彼らに近づきながら5人組を1人ずつ見ていく。声をかけてきた少年は茶色の髪のショートで、ウシの皮で作られたのだろう茶色い皮鎧を着ている。5人とも同じ鎧を着ているので、<作成>で作る防具では現在一般的な防具なのだろう。そして腰には剣を左手には盾を持っているのでマサトと同じようなスキルを装備しているのかも知れない。


 次に同じく茶色の髪のこちらは腰まであるロングヘアーなので女の子なのだろう。顔立ちも似ているから兄妹なのかもしれない。手には杖を装備しているのでミコと同じように後ろで戦うのだろう。


 次は盾と槍を持った黒髪の少年。前髪が長くて目が隠れているが前は見えるのだろうか・・・。おそらく茶色の髪の少年と2人で敵を抑えるのだろう。槍を持っているプレイヤーを始めてみたが、片手で扱えるような短い槍なので、剣より少しリーチが長い程度しかなさそうだ。


 もう一人が弓を背負った黒髪の少年・・・だと思う。ショートより少し髪が長くて目が少し釣りあがっているのだが、中性的な顔立ちをしているのでもしかしたら女の子なのかもしれない。弓はあるのだが、矢はどこにあるのだろうか?


 そして最後はくすんだ染めたような金髪の青年。彼だけ背が高く、目つきがあまりよくなくて、雰囲気がよく漫画に出てくる高校生の不良のように感じるから不思議だ。リアルだとあまり近づきたくない印象を受ける。もしかしたら他の4人とは関係がなくたまたま一緒にいるのかもしれない。


「用というか、質問だな。その装備どうやって手に入れたんだ?買ったのか?」


「いや普通に倒して手に入った素材で作っただけなんだが?」


「まじか!掲示板のほうで蜂が強すぎて倒せないって騒がれたりしてたんだけどな・・・」


「確かにテストの時より強くはなってはいたが、それでも1匹なら初期装備でも普通に倒せると思うぞ?」


「1匹?東の森の蜂って3匹とかの群れで襲ってくるんじゃないのか?」


「攻略じゃ効率のいい狩場だけが騒がれてたからなぁ、普通に外の方は1匹しかいないんだよ」


「そうだったのか。俺テスターやってたんだけど、基本的に誰かに連れて行ってもらったことしかなくてさ、そういう狩場の情報は知らなかったわ」


 少年はどうやら俺たちの装備を誰かから買ったと思って話しかけてきたようだ。というか掲示板で騒がれていたって、何人ぐらい東の森に行ったのだろうか?少年と同じように外回りは数が少ないという情報を知らない人ばかりだったのだろうか。


「それにしても、俺たちは掲示板とかあまり見ないからなあ・・・。どうせだから掲示板の方にこの情報流しといてくれよ」


「俺も書き込みとかあんまりしないけど、いいのか?せっかく誰も来ない狩場なのに」


「むしろヒツジとウシの狩場が欲しいぐらいだよ」


 そういってマサトは苦笑する。俺たちとしてはもう外側ではなく内側まで入っていけるぐらいにLvも装備も上がっているので気にならないし、クエストをするためにはヒツジやウシの方のパーティが減ってくれた方がうれしいのだ。




 マサトと少年が2人で会話を続けているので、俺とミコや向こうのパーティの4人は特にすることがない。なのでお互いのパーティの様子を見ているぐらいしかすることがないのだが、金髪の青年がどこか苛立っているように見える。そういえば話し合いを始めてから10分ぐらい経っただろうか?彼らも予定があるだろうからそろそろ終わらせた方がいいだろう。


「なあマサト、話はそれぐらいにしてそろそろ行こうぜ?」


 俺がそう2人に提案すると、2人とも他のメンバーを忘れていたようでばつが悪そうな顔をしていた。2人は最後にフレンドリストの登録をして分かれたようだ。


「悪い悪い、つい話が弾んじまった。クエストに行こうか」


 俺とマサトは向こうのパーティに手を振ってからギルドの外を目指す。ミコはお辞儀をしてから俺たちに続いて外へ出た。

誤字・脱字・質問などございましたらお気軽に


PVPなんてなかったんや・・・

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