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リカとマツと小動物

10話目です。


昨日よりも短いですが、切りが良さそうなので一旦区切ります。

「えっと・・・どちらさまですか?」


 とりあえず俺は、いきなり話に入ってきたプレイヤーのうち男性の方へ話しかけてみた。少女に声をかけてもよかったのだが、同性の方が話しかけやすかったのだ


「そう言えば名前を言ってなかったわねん」


 ・・・この言葉使いを聞くまでわ。


「変わった話し方なのですね」


 ミコよ・・・なんでお前は普通に話しかけられるんだ。俺には無理だ、鍛え上げられた男らしい肉体を持った女性を意識したような喋り方をする彼と話しづらい。できれば今すぐ別の場所に移動したい・・・


「私がマツで、彼女がリカよん。よろしくねん」


「・・・無理して女言葉にしようとしてませんか?」


「よくわかるわねん。・・・でも罰ゲームだから仕方ないのよ」


「頑張ってください?」


「ありがとね」




 と、ミコとマツの会話の間、俺とマサトとミサトとリカは固まったままだった。というか、なんでリカまで固まってるんだよ・・・


 それでも一番早く復活したのはリカだったようで、すぐに2人の会話に混ざる。


「そうそう、マツが悪いんだから罰を受けるのは仕方ないのよ!」


「どのような罰なのですか?」


 一度リカの方を見て、何も教えてくれないとわかるとマツへと再び視線を戻した。


「簡単なことよん。しばらくの間フリスタの自分の前では女言葉っぽく話すロールプレイをしろって言われたわ」


「ロールプレイ・・・ですか?」


「わからないの?」


「はい・・・」


「ロールプレイってのは、役割り(ロール)を演じる(プレイ)ことよ。つまり・・・」


 そこまで言うとリカはマツの方を向き、マツはリカにいいのか?と問うように視線を送っている。リカが一つ頷いたのを確認して


「つまり、私は何時もとは違う自分を演じていたわけだ」


 そう落ち着いた雰囲気で話したマツの姿は今までと違って見える。先ほどまで気持ち悪く感じていたその肉体も、まるで大樹のような頼もしい物に見える。


「えっと、今までの喋り方はロールプレイで、今の喋り方が何時もの喋り方なんですか?」


 俺はそう問いかける事しかできなかった。


「あぁ、そうなる。ビックリさせてしまったようで申し訳ない」


 そう俺たちに頭を下げてくるマツに俺たちは


「気にしないで下さい」


「ちょっと驚いたけど、普通に話してもらえれば大丈夫です」


「私も気にしてないので大丈夫ですよ〜」


 と返した俺たちにリカが


「残念。まだ罰ゲームは続くのでした」


 と頭に赤いヒヨコのような小動物を乗せて腕を組みながら胸を張って宣言した。地味に頭のヒヨコが真似をしているのが微笑ましい。




 さっきは気づかなかったのだが、よく見るとマツの首のあたりにも黄色いオコジョやイタチのように細長い動物がいる。毛皮にしか見えなかったが、今は顔を上げて俺たちとマツの間で視線を彷徨わせているので生きているのだろう。


 俺は小動物たちが気になったので聞いて見ることにした


「その首の生き物はどうしたんですか?」


「この仔のことかしらん?」


 そう言ってオコジョを捕まえてこちらに見えるように前に出す。首の辺りをネコを持つようにつまんでいるので、力を抜いてぶら下がっている様子はとても可愛く見える。ただし、喋り方のせいで頬がゆるむことはなかった。


「この仔たちは<テイム>ってスキルを手に入れた時にもらったのよん」


「<テイム>?」


「なんだ知らないの?この街の南側にペットショップってお店があって、そこの依頼をクリアすればスキルがもらえるんだよ」


「どのような動物がいるのですか?」


「確か『イヌ』と『ネコ』と『イタチ』と『ヒヨコ』と『ヘビ』の5種類だったはずだよ」


「ただ全部子供みたいで小さいけどねん」


「そうですか。ありがとうございます。後で行って見ますね」


 と話が一段落ついたところでそろそろ街の様子を見て回りたいと思って、マツに声を掛けたのだが、東の森の話を一緒に街を歩きながらでもいいので聞きたいということだった。なのでマツとリカを連れて街へと入って行こうと足を踏み出した時、ふと気になった


「そう言えばこの町の名前ってなんなんだろ?」


 そう質問した俺にリカが門の左右に立っているNPCを指差しながら


「あそこにいる兵士に話しかけて見なよ」


 と、何か含んだ笑みを浮かべながらそう提案してきた。


 特に何もなさそうなので、リカに言われたとおり兵士の1人に話しかける。すると


「よーこそ、アーカンの街へ!」


 と返事をもらった。アーカンについて聞こうともう一度話しかけて見たのだが


「よーこそ、アーカンの街へ!」


 と返されるだけだったのでリカに聞いて見た。


「同じ言葉しか喋らないんだけど」


「そうなんだよねぇ。街の中のNPCは複数の話をしてくれるし、キーワードに反応してその人だけが話してくれる会話だってあるのに、不思議だよねぇ」


「逆に言えば、門の見張りをしている兵士だけが街の名前を言ってくれるんだけどねん」


「そう言えば街の中でアーカンって聞かなかったね」


 と2人が自分たちの経験を話してくれる。俺たちは知りたい情報も手に入ったので街の中を6人で歩いていく。その途中で、俺たちが昨日からフリスタをやっていたのにアーカンへ来たのは今回が初めてだと言うと、流石に呆れられてしまった。普通なら道に気づいてその日のうちに安全にこの街へ来れるのだからそれも仕方ないと思ってしまった。

誤字・脱字・質問がありましたらお気軽にどうぞ



報告?に書いたのですが、PCがネットに繋がらない状態です。なので次回投稿は少し遅れると思います。


投稿しないだけですので、ネットに繋がるようになれば、空いた日の書いた物を一気に上げて行きます。


復旧しましたら報告の方で連絡します。

起きたら直ってるといいなぁ・・・

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