小説よりも奇!
山多姫子(やまたひめこ)十七歳は、自作のファンタジー小説『貧乏国物語』の中に入ってしまう。気付けば牢の中にいて、何故かオンボーロ国のアクージャ王子も牢の中にいた。夢だと思い込みながら、ケータイで写真を撮ったり、小説がある自分のサイトを覗いたりして、自分が書いた内容とは所々違っていたが、隣国リッチ国からの間諜デュラスの正体をばらしたりもする。姫子は失恋から、登場人物たちをほぼ醜く書いていたのに、会う人々は何故か美しい人たちばかりで、あまつさえ自分までもが西洋人風の容姿の超美少女と化していた。