まさか…
短いです。はい。
「大変だ、和人!女体化した!」
は?
桜野和人14歳。受験も終わり見事に合格を決めた週の土曜日。
現在6時3分。少しだけだが眠い状態で珍しくかかってきた友紀の電話に出ると――これだ。
何故にこうなったんだ?
「えーと、3文程度で表しなさい」
「『朝起床、体が軽い』『胸には2つの膨らみ』『俺のキングダムがない』」
「オケー、TS乙。お前のその可愛らしい声を聴いてるとめちゃくちゃ違和感があるから。その声でキングダムゆうな」
あれだ、女子特有のあの高めの可愛いと表すのがいいであろう声で下ネタいわれるとね、違和感がありまくるんだよ。
「TS乙じゃねえよ!こっちは母さんに説明とかしないといけないんだよ!」
「しょうがねえから、俺が説明手伝ってやるからそんなにテンパるな」
「お、おう」
うっかり制服のまんまで寝てしまったので取りあえず学校指定のジャージに着替える。
そして家に鍵をかけて出ると、俺の家の向かいがわにある家の前に黒髪の美少女がいた。
やっぱりそこは王道で黒い長い髪。やや切れ目のような感じが元の友紀を感じさせ、鮮やかな色の唇がなんとも綺麗で、やはり全体的にととのっており和風な美少女、もしくは美女にしたほうがいいのだろうか。可愛いよりも綺麗を言う言葉が似合う。そんな感じだった。
だがそれが友紀だと思うと残念に思える。
「あ、和人ー!早く来てくれー」
友紀は俺の姿を確認するとこちらに向かって少し大きな声で呼んできた。
やはりその美人顔で可愛らしい声は反則だと思う。
そして友紀の近くに行くと同じ身長だった友紀は俺の胸の高さぐらいまで小さくなっていた。
でもやっぱり、その…服装が……Yシャツと今にも落ちそうな下着はどうかと思います。幼馴染として。






