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しあわせ温泉

作者: N澤巧T郎

いつもと同じ帰り道。影がやたらと大きくなってる。焼いも屋さんのいい匂い。思わず立ち寄り「4本ください」。おっちゃん笑って「サービスしとくよ」。元気に笑って御礼の言葉。


「ありがとうございます」


あったかおイモを両手に抱え、ちょっと早足帰り道。やっと見えた我が家の屋根。ローンで買ったぞ一軒家。まだまだ見えぬ返済日。それまで働き続けます。私の愛する家族のために。気づけば家から元気な声。今日も元気かうれしいぞ。


ピンポーン


「ちょっと待ってていま開けるから」。待っていますと心で答え。ガチャっとドアから子供達。「おかえりなさい!!」と声がハモれば、自然と笑顔で答えます。


「ただいま。今日も良い子にしていたかい?」


「うん!!」と笑顔で答える二人。ならばあげようホカホカおイモ。二人の瞳がキラキラ光り、まとわり尽きます私の周り。「ちょっと待て待て」言いながら、やっぱりどこか嬉しそう。妻が笑って待っている。さあさあ戻ろう家の中。とってもあったか家の中。


「おイモ〜おイモ〜」


おイモを頭上に掲げながら、走っていきますリビングへ。私は着替えに寝室へ。「お疲れ様」と言いながら、妻が背広をハンガーへ。照れくさくて言えないけれど、いつも思う感謝の気持ち。今日も口に出来ない代わりに、出るのはこんな言葉だけ。


「おイモを1つおまけにくれたんだ」


コタツの上にあるみかん。その隣にあるホカホカおイモ。4人でコタツを囲んだら。「いただきまーす!!」元気な声で。黄金色に輝き放つおイモに一口かぶりつく。「はふはふっ」「はふはふっ」言いながら。ゴクンッと飲みこみ言いました。


「甘くてとってもおいしいね」


あっという間になくなるおイモ。コタツの上にあるみかん。その隣にあるおまけイモ。すると子供が言いました。「4人で分けて食べようよ」。黙っておイモに手を掛けて、二つに折って二人に笑って言いました。


「二人で分けて食べなさい」


おいしいおイモを食べたなら、お次はお風呂に入ろうか。「僕も入る」「私も入る」それじゃあみんなで入ろうか。我が家自慢のしあわせ温泉。笑いと幸せ湧き続ける。もちろん源泉たれ流し。ちゃんと肩まで浸かったならば、ゆっくり30数えましょう。


「24、27、28、33、34、40、30!!」


寝息をたてて眠ってる。まさしく天から舞い降りて、幸福もたらす天使の寝顔。疲れも辛さも吹き飛んで、やる気と情熱ふつふつと。明日を生き抜く力をくれた。


年末くらいはゆっくり休んで、温泉にでも連れて行こう。家族と一緒に行くんなら、どこへ行ってもしあわせ温泉。



笑いあふれるしあわせ温泉。



幸せあふれるしあわせ温泉。










リズムに乗って、声に出してお読みください。

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