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Fighting children

「続」親がいない

今回は「あれ」から三年後の三人と、七つになった妹も加えた、四人での冒険です。

トゥルルルル


トゥルルルル


トゥルルルル


電話がなりひびく。


ガチャッ


電話に出た。


「もしもし。はい」

電話に出たのは、七歳前後の、女の子。いま、この家には、おおくの電話が鳴り響いていた。しかしそれは、親戚からのくだらない話でもなく、知り合いの世間話でもなく、友達の遊びの誘い電話でもない。

「はい。相談したいことがあるのですが・・・」

見知らぬ人の相談の電話である。



「おーい。香織〜。電話きたかー?」

しばらくして、あたしを呼ぶ声がする。その声は、だんだんと近づき、あたしが入っていた部屋の扉を開けた。

「あっ!!お兄ちゃん」

彼の名は、和弘。あたしの兄であり、世界で一番尊敬する人。

「うん。ついさっきね。ていうか、あたしに留守番ばっかさせないでよね!」

「あー。あー。分かってるよ」

お兄ちゃんは、あたしの書いた、メモを取る。

「こいぬさがし・・・〇〇く、3ちょうめ・・・」

彼は、あたしの書いたメモを、つぶやく。

「っていうか、『子』と『犬』ぐらい漢字で書けよ!!」

そしてツッコむ。

「うるさいわね!お兄ちゃんの字は汚すぎて読めないんだからさ!」

「やかましいっ!!」

兄弟喧嘩だ。十七歳と七歳との喧嘩。いつものこと。

「お〜い。今日の活動は〜?」

外から二人の声が聞こえた。お兄ちゃんの同級生の由希ちゃんと翔くんだ。同じく十七歳。学校も小学校から同じで、いつも仲良しだった。

「お〜い。入ってこ〜い」

ドタドタと上がり込んでくる。そしてにぎやかになっていく。



ここは、警察庁特例の事務所。スーパーアシストセンター(SAS)。数年前。あたしの兄は、一つの悪い団体を潰したことがある。それに感動した、源駿人警部により、特別な組合を設けてもらったのだ。その日から、警視庁のお墨付きで、いろんな相談事にのっているのだ。しかし、ある依頼はほとんど、子犬を探してほしいだの・・・子猫を探してほしいだの・・・落とし物を探してほしいだの・・・そんなものばかりだ。



「よ〜し。今日も頑張って探すか〜。とりあえず、飼い主に会わないとな。いくぞ、みんな!!」

「お〜!!!」

「いぇ〜い!!!」

三人が揃って出ていく。あたしはいつものように留守番。あたしはふと、外を見る。お兄ちゃんはこんなことをして、楽しいのだろうか・・・?

何か大きな事件を解決できたら・・・それはとても楽しいだろう。でも、普段の仕事といえば、それとはとてつもなく離れている、小さなお題ばかり。それでも、お兄ちゃんは楽しいのだろうか・・・?空が少し暗くなった気がした・・・。



和弘たちは、飼い主の家に来ていた。事情確認というやつだ。

「えぇ〜っと、昨日、晩ごはんを食べさせたんですよね。で、少し熱があったので、寝込んでしまったんですよ。私はいつも、夜にお散歩に行っていたんです。昨日はそんなことをできる余裕もなかったので、そのまま寝たんですよ。当然夜は吠えていたんです。でも、次の日になったら、いつの間にか、いなくなってたんです」

飼い主は事の次第を説明した。由希はメモをとり、翔はそれを見ている。和弘が続けた。

「普段の散歩の道を教えてくれませんか?」

和弘がそういうと、飼い主は立ち上がり、連れていっくと言ってもらえた。



そのルートは家からスタートし、町内を回って帰ってくるというものだった。たどりついたとき、

「どうやら、この道を通った形跡はないですよね。縄張りを印したものもなかったですし・・・」

和弘はうなった。いったいどこにいったのか・・・・・?

「しかたない。一人一人聞き込んでいくしかない。すみません。その子犬の写真はありませんか?」

子犬の写真を、三人写メをとった。

「よし、三手に別れて聞いていこう。できるだけ多くの情報を探してこいよ。見つかったら、まず、飼い主さんに電話。そのあと、俺と由希に電話な!最後に見つけたやつが、香織に任務終了を教えておけよ!」



翔はとりあえず、SASに戻る。パソコンを立ち上げ、チャットにログインする。


SHOH

>この子犬↓知ってる人いない(-.-;)


はるは

>う〜ん。知らない(^_^;)


みきお

>分かんない(^o^)/


なつき

>見たことあるかも・・・


SHOH

>なつきさん。いつにどこでですか?


なつき

>三日前に、交差点で飼い主さんと歩いてました(^-^)g"


SHOH

>昨日は見てませんか?


なつき

>ごめんなさい(ToT)


渡辺〜ん

>あっ!!昨日見た見た!!


SHOH

>どこでですか?


渡辺〜ん

>確か・・・飼い主さんいなくて、一人で小さな林の中に入っていましたよ


SHOH

>ありがとうございました。実は、迷子の犬なんですよね〜。失礼します。



「もしもし。昨日、どこかの林に入っていったらしいよ。和弘!」

「おっ!さすが、情報屋。で、どこの?」

「あっ!!」

「・・・・もういちどお願いね」


プツッ。プー。プー。プー。


「人使いのあらいやつめ!!」


次に開いたのは、全国の地図が見れるサイト。散歩をするという、その地域を示してみた。そこのすぐ近くの林を探す。



「確かここだと言ってたけど・・・」

由希と和弘の二人が集まって、林にやって来た。そう大きくはないが、大きな木が立ち並ぶ場所だ。意外と暗く、よく見ないと分からないだろう。

「よし。探すか!」

「うん。頑張ろう!」

二人は必死に目を凝らして探した。すると、

「ワン!ワン!ワン!ワン!ワン!」

犬の鳴き声が聞こえた。しかし、いた場所は・・・。

「木、木の上!?」

猿に連れていかれたのか、自分で登ったのか、木から降りられなくなって、助けを呼ぶように鳴いていた。和弘が登り始める。由希は、飼い主に電話していた。



「いやー本当によかった〜」

「うん。飼い主さんも喜んでくれたからね」

翔くんは犬を見ることはなかったが、二人の話を聞いて、微笑みながら、パソコンをいじっていた。あたしは二人の話を笑いながら聞いていた。いつもの楽しげな日常だ。あたしは、ふと、お兄ちゃんに尋ねた。

「いつもいつも、楽しそうだよね。何がそんなに楽しいの?」

「あ!?そんなの、簡単だよ!!



みんなの笑顔さ!!!



・・・・・」

「和弘・・・恥ずかしぃ〜〜」

「一瞬でしらけたな」

「うっせぇ!!」


そうだ。あたしたちは、みんなの笑顔のために頑張ってるんだ。大きな依頼がないってことは、みんなが笑顔でいられるってことなんだ。



頭がすっきりしたあたしは、大きな声で笑った。


また、のちのちに続編第二段もやるかも(暇だったら)

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