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オルカニア連邦の首都機能を持つ第1コロニー「リュリンド」内の一般区画で、最近システムの不具合が発生しているという。一般区画には街や住宅街、学校などもある。範囲はかなり広い。そのため検査員だけでは人数が足りず…
「何で俺らなんです?」
ルドヴィクと同僚3人はげっそりとした顔で上司の前に整列していた。
2日間ぶっ通しで敵を倒し、帰還できたのは昨日の朝方。報告などを終え、家に帰れたのが昼過ぎ。本来なら今日は非番だったはずだ。
全員今すぐベッドにダイブしたいと顔に書いてある。
「君らの班にそういうの得意な人いたでしょう」
彼らの温厚な上司は穏やかに言ったが、“そういうの得意”なダリウスは涙目で「ごめーんね」と同僚達3人に謝っていた。
「ダリウス・シアルド少佐をリーダーとし、この件の調査を命令する。栄養ドリンクあげるから、頑張ってねー」
軽い調子で命令する上司に対して、ほんのりと湧いてくるイライラを抑えながら、4人は敬礼した。
栄養ドリンクを飲みながら軽いブリーフィング。
タブレット端末で現在わかっている情報を読んでいく。数日前から、住人からの問い合わせはあったようだ。それが昨日の昼にデータダウンロード件数が一気に多くなった。その際“回線がいつもより遅くなった”“データが飛んだ”“室内システムの異常”があちこちで発生したようだ。
「何々!?この人達一体何ダウンロードしたの!?アクセス集中しすぎなんじゃないの!?」
「“アリエリアナ様”らしい、昨日発売のデータって。今女性軍人に人気だってフィリが言っていた」
ゾッとしながら読むキーアンにルドヴィクが補足する。
「アリエリアナ・ククルスカ?アウレシアの魔女の?」
「同じ反応をしたら、かっこいいだって」
「フィリもわからねー年頃になってきたかー」
ダリウス、キーアン、ステン。3人は中等教育課程からルドヴィクと一緒にいるチームメイトだ。成人してからは、よく自宅で酒を飲む飲み友達でもある。そのためフィリアとも長い付き合いだ。ある日突然現れた小さなフィリアを、戸惑いながらも育てる事になったルドヴィクをサポートしたのもこの3人だった。
「最近顔見れてないし、早く終わったらルディの家行くか。飯も食べたい。」
「そろそろ食費取るぞ」
来るなとは言わないルドヴィクの頭の中は、任務よりも冷蔵庫に何が入っていたかを思い出すのでいっぱいだった。
飯よそい系男子からしか得られない栄養がある。私には。




