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人では無い者たちがいた。
彼らは人以上の力を持ち、3つのエリアを作った。
天に浮かぶ空の島々、海の中の居住区、そしてその間の陸。彼らは自分たちに似せた何者でも無い者たちを作り、3つのエリアに住まわせた。何者でも無い者たちは自分たちを“人間”と呼び、各エリアで生きやすいよう身体を整え、国を作り、それぞれ繁栄していった。そのうち、人間たちは、人では無い者たちを“神”と呼ぶようになった。ただその頃には、神々は人間たちの元から去っていった。
残された人間たちの行動は様々だった。
空のアエリュシオンは、神々を大切にし、神々と共に過ごした時のように歌を歌い、神を讃える舞を舞った。
海の中のオルカニアは、主神への祈りを生活の中に落とし込んだ。
陸のテオドリカは、主神を絶対神とし、神から選ばれた人間を頂点にすえた。
こうして、空の“アエリュシオン”、海の“オルカニア連邦”、陸の“テオドリカ帝国”の三国が誕生した。
資源や技術の奪い合いで、三国は長い間戦争状態が続いた。三国はたくさんの人間を失った。しかし、各国が生きるためには必要だったのだろう。誰も争いをやめようとはしなかった。
神は嘆いたのだろう。その嘆きが人間を殺す者を生んだ。空も、海も陸も、たくさんの人間が殺された。人間を殺す者たちに。三国はお互いに争う余裕など無くなった。三国の頂点に立つ者たちは協力し、決断した。
共に“人間の敵”を倒し、三国に平和をもたらすと。
それが、今日の三国同盟のはじまり。
(オルカニア連邦 中等教育課程 歴史科教科書より)




