2話 ルール説明
「じゃ、早速ルール説明に入るわね」
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・「魔女」は一見不可能に見える事件を「これは魔女の仕業だ」「この事件は魔法を使って引き起こされた」として「探偵」に出題する
・「探偵」はその事件は「現実に可能な方法で」起こすことができると示す
・「魔女」は嘘をついても良いし、誤魔化してもいい
・「魔女」は『』内の文章については一切の嘘をつけない
・「探偵」は「復唱要求」と「回答」の2つを行うことができる
・「復唱要求」は、その文章を「魔女」に『』の文として復唱してもらうことができる
・「魔女」は復唱要求に応じても良いし、応じなくても良いし、文面を変えても良い
・「回答」は事件の真相を「魔女」に突きつける
・「魔女」は「回答」を『』の文で否定する。否定は一部分でも良いが、それもできない場合は、降参となる。
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魔女「…という感じね」
…難しい。というかルールが複雑だ。
魔女「まぁやってみせたほうが早いわね。ノワール!」
??「お呼びでしょうか」
誰も居なかったところに突然黒い燕尾服を来た老人が現れた。
魔女「あの遊戯をやるわ。お手本をやって頂戴」
??「承りました」
そう言ってノワールと呼ばれたその老人はこちらに向き直る。
執事「執事のノワールと申します。以後お見知りおきください」
魔女「じゃ、早速出題よ」
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Aさんは体調を崩したため部屋にこもっていた。
だが、『Aさんが部屋から出て5分後には、Aさんは元気になっていた。』
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魔女「これに対して、私は、「魔女が魔法を使ってAさんの体調不良を治した」と主張するわ」
魔女「さて、これを解いて見せて頂戴」
執事「それでしたらまず…[復唱要求:Aさんは部屋から出なければ元気になっていなかった]」
魔女「応じるわ。『Aさんは部屋から出なければ元気になっていなかった』」
執事「ふむ…とすると、部屋が原因か、部屋の外が原因か、と言ったところでしょうか。[復唱要求:Aさんは部屋から出さえすれば元気になった]」
魔女「復唱を拒否するわ。」
執事「拒否ですか。やはり、ここがポイントのようですね。[復唱要求:Aさんがいた部屋とは、特定のものである]」
魔女「…誤魔化しても仕方ないわね。『Aさんがいた部屋とは、特定のものである』」
執事「では一気にいってしまいましょう。[回答:Aさんは自動車に乗っていて乗り物酔いをしてしまったが、車から降りたため回復した]」
魔女「否定するわ。『Aさんは自動車に乗っていない!』」
執事「乗り物酔いは否定なさらないのですか。でしたら、[回答:Aさんは船に乗っていて酔ってしまったが、船室から出て船から降りたため回復した]」
魔女「…降参よ」
そう言って「魔女」は諸手を挙げる。
なるほど、簡単に情報を確かめられる「復唱要求」と、絶対に情報を出さざるを得ない「回答」。この2つを組み合わせて答えにたどり着くというのがこのゲームなのだろう。
魔女「さて、流れは分かったかしら?こんな感じで、「魔法でやった」と主張する魔女に対して「魔法なんて無い!こうすれば可能!」と主張するゲームよ」
僕たちが頷くと、「魔女」が不敵に笑う。
魔女「それじゃあ第1問、「宇宙船からの消失」のはじまりよ!」
2話にわたる序章、お付き合いいただきありがとうございます!
次回から本番の問題に入っていきます!