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第1話:恋愛? 無理です。──なのにここ、恋愛で戦う世界なんですけど!?

私の名前は月宮つきみや あずさ、高校2年生。

人見知りで恋愛経験ゼロ、もちろん告白されたことも、告白したこともない。

友達には「陰キャ」「地味系女子」「そろそろ彼氏作れ」などと冗談まじりで言われていたけれど、私はそもそも恋愛のルールすらよくわかっていなかった。


なのに──


「転生先が、“恋愛で戦う戦場”とか、冗談でしょ……?」


目の前で、金髪碧眼の美男子が女の子に向かってこう叫んだ。


「君が好きだ! だからこの一撃──《ラブ・シュート》、受けてみろ!」


どばぁんっ!


ハート型のエネルギー弾が発射され、相手の女子の背後で地面が爆発した。どう見ても本気で“恋”をぶつけている。

いや、なんかもういろいろ間違ってないか? 恋愛って、そんなに物理的だったっけ!?


「ようこそ、恋愛戦場ラブアリーナへ」


天の声のように響いたのは、転生時に頭に直接流れ込んできたチュートリアルだった。


この世界では「恋愛感情」が魔力の源であり、戦闘力となります。

好意、嫉妬、独占欲──恋に関するあらゆる感情がエネルギーとなり、バトルに変換されるのです。


無理だよ! 私、恋なんかしたことないし!


そしてさらに追い討ちをかけるように、突然、場面が変わった。


「あなた、今日からわたくしの“付き人”よ」


──そこにいたのは、金髪巻き髪、ツンとした横顔のいかにも「悪役令嬢」って感じの女の子。


「わたくしはセレスティア・ヴァレンティーヌ。この学園で一番の実力者。恋愛も、戦場も、わたくしの手のひらの上にあるのよ」


「え、えっと……私……」


「恋愛力、ゼロ。わかってるわ。でも、期待してるのよ? 付き人にも、“恋の才能”はあるって聞いたから」


才能? 私に?

いやいや、私はただの陰キャ女子高生で──って、


スキル《片思いの観察者ストーカー・オブザーバー》を獲得しました!


えっ。


相手の恋愛感情を視覚化・数値化するスキルです。

恋の駆け引き、矛盾、裏切り、告白の予兆などを見抜けます。


私、ただ人の恋愛模様を遠くから観察してただけなのに──それがスキルってこと!?


「ふふ……面白いじゃない。あんた、意外と使えるわね?」


悪役令嬢・セレスティアは意味ありげに微笑んだ。

こうして私は、恋愛未経験のまま、“恋で戦う世界”の前線に放り込まれたのであった──。

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