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ジュンジ~キャテリーヌちゃんの家へ行く~④
「101号室か……次はこの人を訪ねてみるかな」
「ねぇ、ジュンちゃん。コーポ仙田に行くの? そしたら、次に家へ来たときにどんな様子だったか教えてちょうだい!」
いつの間にか、フジ江さんはジュンジのガラスの湯飲みにおかわりのお茶を注いでくれている。その目は好奇心で怪しく光っていた。
「……あっ、はい。次に、来た時に……」
「あっ、あとね。キャテリーヌちゃんのごはんもお願いしたいのだけど」
フジ江さんの視線はジュンジの座っているさらに奥に移っていた。自然とジュンジもそちらに目をやる。
「あっ! キャ、キャテリーヌちゃん……ごきげんよう……」
ジュンジは知らないうちに左隣に御座す10キロの米袋にあいさつした。
ビニールの米袋は上が開いていて、中のお米は半分くらいになっている。
「最近減るのが早いのよねぇ、もう半分になっちゃって。あんまり少なくなると機嫌が悪くなっちゃうし……げっ、痛っ!?」
米袋に手を入れたフジ江さんは声を上げた。
反射的に抜き出したその手は、中にいるはずのキャテリーヌちゃんに噛まれたようで、歯形がくっきりと浮かび上がっている。




