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ジュンジ~意山さん家に行く~①
慎重に、慎重に運転するジュンジは閑静な住宅街の中を進んでいた。
“ピンポーン! 目的地、周辺です! 案内を終了します……”
「なっ!? 何を勝手なことを!!」
カーナビにもてあそばれるようにして、ドキドキと汗が止まらないジュンジはその辺を三周くらい回った。そうして、ようやくその家を見つけた。
新しいマンションや戸建てが並ぶ中で、その古い二階建ての一軒家は浮いていた。灰色のコンクリート塀に囲まれた小さな庭は、全く手入れがされていないようで、青々とした草が伸び放題で荒れている。
「誰も住んでいないようだけど……」
塀の前に車をとめたジュンジは降りると、門扉のところにある石でできた表札を確かめた。意山と彫られている。
「……メモの住所はここで間違いなさそうだし、名前もスティーヴン・イヤマ様って書いてあったからたぶん、この意山さんなんだろうけど……」
門扉はすっかりさびついており、その上、鎖でぐるぐるにまかれて南京錠がかかっている。
やはり、誰も住んでいるようには見えない。
「どういうことなんだろうなぁ……はぁぁ」
ちょっぴりやけっぱちになったジュンジは、だめもとで鎖をカチャカチャしてみる。




