ジュンジ~ノブオさん、いなくなる~④
「まずは……メモの住所を訪ねよう。それからキャテリーヌちゃんの家に行って、ノブオさんがちゃんと来たかどうか、確かめてみるとするか!」
フンと鼻息を一発、短く出してジュンジは気合を入れた。
そして、会社の事務所に駆けた。
非常に真面目だが長髪で変わり者な上司に、ジュンジはここまであったことを説明する。
「そうですか……私もなんだか嫌な予感がしていたんですよ。眉間の第六チャクラがずっと……ムズムズするんです。タロットリーディングでも怪しげなものばかりイメージされますし、星の配置も……」
早口で言う上司は、遠くどこかを見ているようだった。
「あの僕、探しに行ってきてもいいですか?」
ジュンジは上司の話を遮った。
ただこの上司の、こういう謎の能力についてはあなどれない。
これまで上司の予言はほとんど当たってきた……この上司がこんなに早口で慌てて話すということは、ノブオさんの身によほどのことがあったのかもしれない。
「ええ、もちろん! ノブオさんを助けに行ってください!! でないと……」
急にうつむいて、上司は唇をかみしめた。
「じゃ、じゃあ……行ってきます……」
力なくイスに腰掛ける上司をしり目に、ジュンジは事務所を後にする。
「……はぁ。あんまり、運転したくないんだけどなぁ……」
ぼやきながら先ほどのシルバーの社用車に初心者マークをペッと貼りつけ、バックミラーとサイドミラーの位置を確かめた。
足もとのブレーキを思いっきり踏んで、ジュンジは慎重にエンジンをかけるのだった。




