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ジュンジ~ノブオさん、いなくなる~③
翌日の朝、昨晩ほとんど眠れず頭の働きがすこぶる悪いジュンジは、生あくびをしながら会社に向かうため歩いていた。
ぼおっと歩いていると、ふと会社の駐車スペースが目に入る。
「……んっ!?」
そこには昨日、ノブオが乗っていったはずの社用車がとまっている。
「昨日、僕が家に帰る時にはなかったはずだけど……そんな遅くに、ノブオさんは帰ってきたのかな?」
シルバーの軽に近づいていく。運転席のドアの下にキーが落ちていた。
「やっぱり、なんか変だ……!」
キーを拾い、解錠してドアを開ける。すると、ダッシュボードの上に丁寧に畳まれた地図があった。
ノブオは神経質なところがある。カーナビやネット検索だけでなく、しっかり紙の地図も確認することをジュンジは知っていた。
そんなノブオのことだから、この地図には残されたヒントのような何かが、あるかもしれない。
ジュンジは慌てて地図を開く。畳まれた紙の間から、一枚のメモ用紙がはらりと落ちた。
「住所だ。それに名前も書いてある……外国人? あれっ? この家、キャテリーヌちゃんの家とだいぶ近いな……そういえば、キャテリーヌちゃんの散歩には行ったのかな、ノブオさん……」
はぁと深くため息をついて、ジュンジは心を決めた。




