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敏也を追いたい②
河ノ沼小学校七不思議はメリーさんの電話、ウサギ小屋の人面犬、車イスを押すナース、ピエロの首ちゃん、むらさきの鏡……そして、今新しく聞いた“怪人油取り”と“夜の学校に何人かで集まると幽霊が一人増えている”という二つを加えて計七つ……
あれ、と直感が働いたノブオはちらっとグラスグリーンを見た。
こいつは七不思議に入らないのか……?
「なんです? 何かついてますか?」
とぼけたようにグラスグリーンは両手で自らの顔を確かめる。
「いや、別に……」
聞いてはいけない気がするノブオはそっと顔をそむけた。
「あっ、あそこに誰かいる!」
先ほどナースと首ちゃんが出て行った鉄扉をノブオ少年が指さしている。
見れば、扉から顔だけを出してこちらの様子をうかがう者がいた。
「あれ、もしかして……敏也か?」
目を細めながらノブオ少年がつぶやく。
「うん、そうだと思う」
ずっと静かだった倫子が答える。




