首ちゃん④
「いやいやこれは、どうもありがとう。絶対痛いよね、その首……って、なんだ? この鏡、すっごい古そうだな」
それはどう見ても新品ではなかった。
ザ・手鏡という感じで、折りたたみ式やコンパクトでもない、持ち手のついている昔ながらの手鏡だった。
ノブオは鏡に自分の顔を映してみる。
「あっ……なんか、俺、今日……すっごく、かっこいいかも!? えっ!? なに、イケメンじゃない?」
鏡を見つめ、少ない前髪を手でなでつけるノブオはうっとりしだす。
「えー、おじさん。何を言って……あっ!? もしかしてその鏡、むらさき鏡じゃない!? だめだよ!! おじさん、あんまり見つめていると危ないよ!!!」
慌てたノブオ少年はノブオの手から鏡をふんだくった。
「何するんだい!!! いいじゃない、鏡を見て自分をほめたって!! たまには!!!」
目を血走らせるノブオはノブオ少年に詰めよる。
その迫力に圧倒されるが、ノブオ少年はその様子にかえって確信した。
「この鏡はむらさき鏡だよ!! 魔力がすごいから何でも封印しちゃうんだ。鏡に閉じ込められたら二度と出られないで、さまようんだよ! 特に深夜0時になると、その力は最大になるとか……俺、おじさんが封印されたら、やだよぉー!!」
泣きそうなノブオ少年の顔に、ノブオは我に返った。
「ご、ごめん。そんなに危ない鏡だったとは……おい、ピエロ!!! こんな危険なものをよこすんじゃないよ!!!」
首ちゃんに向き直ったノブオはキレる。
「そもそもお前にあげてないだろ!! 女子更衣室にずっと置きっぱなしになってたやつだし、そんな危なくは……えっ?」
四人の冷ややかな視線が首ちゃんに突き刺さる。




