首ちゃん②
それでも四人は誰一人声を上げない。
変な時間が数秒、流れた。
すると、そいつは何かを思いついたように再びボールをつき始めた。
トーン、トントントン……ドッ、ドッ……
「テテテッ!! テテテ好きだーと、テテテーテ!!!」
手まり唄のときとは全く違う身のこなしでドリブルし、ゴールへ向かう。
「急にうろ覚えのアニソン歌いながらバスケをしだすなんて!! なんだアイツ!!!」
どういうつもりだ、としゃがんでいたノブオは立ち上がった。
グラスグリーンは開いていた鉄扉を、さらに大きく開ける。
ギィッという音とともに、こちらをチラ見する謎の人物にも四人の姿がわかった。
「チッ……!! 年頃の女子じゃねぇのかよ!!!」
ダンッ……!!!
最後にジャンプしてかっこよくボールを入れようとしたのは、その場にいる全員が察していた。
だが、邪念が入ったのだろう。ボールはリングにはじかれ、明後日の方向へ転がっていった。
また場は静まりかえり、妙な時間が流れだす……
「……おい! なんだよ、なんか言えよ!!」
ばつが悪そうにしながら、そいつはこちらにやって来た。
近づいてきたその姿を改めて見た四人は驚き固まってしまう。
「なんだよ、えっ? 何?」
襟首にシャンプーハットをかぶったような黄色の派手な衣装で、真っ白に塗られた顔、大きく真っ赤に描かれた口は、間違いなく典型的なピエロの姿だったが……




