集合③
思い出そうと頭を働かせるノブオの耳元で、グラスグリーンはささやいた。
「ちなみになんですが……人間の仙田タツキ役は旬の若手俳優を起用し、僕はグラスグリーンとしてこのまま出てたんですよ」
「そ、そう……」
混乱するノブオをそのままに、グラスグリーンは特別だよ、と先ほどの名刺をどこからともなく取り出すと、ささっとサインを書いてノブオ少年に渡した。
「すっげぇー!!! 仙田タツキって書いてある!!! 本物だぁ!!!」
喜びのあまり、ノブオ少年はジャンプしながらくるくる回る。
「ノブオ君、あんまり大きな声を出すとよくないよ。またお化けがよってきちゃうよ」
倫子がはしゃぐノブオ少年の肩をたたき、はっと我に返るノブオ少年は静かになった。
一瞬間があって、思い出したノブオは口を開く。
「そういえば、体育館に七不思議の誰かがいるって、さっき言ってたよな? みんなそろったし、体育館に行ってみるか?」
グラスグリーンをちらっと見て、ノブオは他の二人とも目を合わせ尋ねた。
「体育館か。ってことは、ピエロの首ちゃんのことだね……」
顎に手をやり、ノブオ少年は考えるようにして言った。
「ピエロの首ちゃん?」
ノブオ少年は昔の自分のはずだ。
だが何を考えているのか、さっぱりわからない。
昔の自分と今の自分というのは、全然違うものなのだろうか……と考えるノブオも、そっと顎をさわった。




