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ナースとグリーン②
「ケガ人は……そこかぁ!!!」
ナースはこちらを振り返り、絶叫する。
ノブオ少年が恐怖でギュッと目を固くつぶったそのとき、ノブオはさっと机の下から出ると立ち上がった。
「俺はここだぁ!!!」
負けじと叫んで、教室前方の戸から廊下へ飛び出す。
そして、全速力で駆ける。
「ケガ人……!!!」
ナースもそのまま後方の戸から飛び出し、ノブオを追う。
「ケガ人……ケガ人……!!!」
キュルキュルキュルキュル……!!!
ノブオは全力で走り続け、どこをどう走ったのかわからない。
もう無理……そう思ったとき、不意にトイレが目に入った。
自然と一番奥の個室に入り鍵をかける。
キュルキュル、キュルッ!!!
トイレの前で車イスは止まった。
「ケガ人……ケガ人は……どこ……ケガ人は……」
ナースがトイレに入ってきた。
キィッ……
一番手前の個室の戸が鳴った。
「いない……」
キィッ……
二番目の個室の戸が鳴る。
「いない……」
肩で息をして、おでこから流れる汗で目を痛くしながらノブオは考えていた。
(ケガ人、ケガ人って言ってるけどさ。こんなに走ってる俺のどこに、そんな大層なケガがあるっていうんだい? なんだ? アイツ……)
フッと小さく笑ったとき、ノブオの個室の番になる。




