忘れ物と電話④
「ねぇ、おじさんはエスパーなんだよね? もしかして七不思議、解決できるんじゃない?」
ノブオ少年はノブオの顔を見上げた。
その少年の瞳に、ノブオは熱いものを感じた……ような気がした。
「……うん、そうだな! だいたい七不思議とかメリーさんなんかに負けたらいけないんだ!! よし、電話に出てみるか!!」
二人は職員室の方へ向かう。ノブオ少年が言う通り、やはり職員室の中からその音は響いていた。
引き戸の前に立つと二人は顔を見合わせうんと頷き、ノブオは勢いよくガラガラッと開けた。
ジリリリーン!! ジリリリーン!! ジリリリーン……!!
懐中電灯の明かりを頼りに、暗闇の中で音のする方に歩いて行く。
教室の前方にある机の上に、その電話はあった。
「いいか? 出るぞ!」
ノブオの腰のところをつかんでいる少年と目を合わせ、大きく息を吸って吐いたノブオは、受話器を持ち上げ耳に当てた。
「もっ、もしもし……?」
緊張で声がうわずるノブオは固唾をゴックンした。
「私、メリーさん。今、河ノ沼小学校の……」
「それはよござんすっ!!!」
叫んで、チンッと電話を切った。
「おっ、おじさん!? まさか……」
ゼェゼェ息をするノブオの尋常でない様子にノブオ少年も慌てる。
「ノブオ君……始まっちゃったみたい」
ノブオの額にブワッと汗が噴いた。
「えぇー!?」
ノブオ少年が目を見開く。
キュルキュルキュルキュル……!!!
パタパタと軽い足音と共に、小さなタイヤが廊下を走ってくる音が聞こえてきた。
だんだん近づいてくると、それは職員室の前でぴたっと止まった。




