忘れ物と電話③
忘れ物の大切な本を手に入れた二人は五年二組の教室を後にした。
来た道を戻り階段を降りて、一階の廊下を歩いていた。
ジリリリーン!! ジリリリーン!! ジリリリーン……!!
どこかで電話が鳴り出し、それは途切れない。
「……きっと職員室だよ。でも、行かないよね? 危ないし……」
ノブオ少年は本を持つ手と反対の手でノブオのズボンをつかんだ。
「危ない? なんで?」
ノブオ少年の暗い表情にノブオもだんだん怖くなる。
「メリーさんの電話かもしれない……河ノ沼小学校七不思議のひとつ、メリーさんから電話がかかってくると七不思議が始まる……七不思議を解決すれば願いが叶う、でも解決しなければ不幸になるんだ」
メリーさんからの電話で七不思議が始まっちゃうだって……
それなら今朝、すでに仙人の家の黒電話に出ちまったよ、とノブオの鼓動は激しくなる。
「か、解決する? 七不思議を? ところで七不思議って、さっきのウサギ小屋の人面犬とメリーさんの電話と……他には何があるか、知ってるのか?」
「うん。七不思議はたいてい最後の一つを知ると呪われるとかだけど、河ノ沼小の七不思議は全部明らかになってるよ。ただ、始まったら解決しないといけないんだ」
ジリリリーン!! ジリリリーン!! ジリリリーン……!!
二人が話している間も、電話は鳴り続けている。
この電話には出ない方がいいのかもしれない。
だが、ノブオは何だが出なければいけないような気がしていた。
それはノブオ少年も同じだった。




