55/168
少年とノブオ④
「えっ、はっ!? そ、そうだよ! 本当に卒業生だよ!! なんで……?」
「いや、なんとなく……河ノ沼小ってそんなに歴史がないから、卒業生にしてはちょっと……老けてるかなって……」
少年はジロジロ、ノブオの頭から全身を眺める。そう言われてみれば、そうかもしれないとノブオはちょっと焦る。
「……まぁ、俺も苦労してるからさ。君の言う通りでよく老けて見られるっていうか、実年齢よりも上に見られがちなんだよ」
動揺を悟られないように、ノブオはなるべく平静を装った。
「へぇ、何歳?」
少年の鋭い視線が刺さる。子供とは、なんて残酷なのだろう。
「なっ、何歳だっていいだろ!? で、どこの教室に忘れ物したの!? はぁはぁ……はぁ……」
ちょうど登り切った階段は三階だった。
「五年二組だよ! 机の中に大切な本を置いてきちゃって」
ノブオのことを気に掛ける素振りもなく、少年は教室に向かって駆けていく。
「……五年二組か……間違いない、俺だ……」
ノブオは小さく呟いてゼェゼェする呼吸をちょっと整えると、五年二組を目指した。




