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追憶の俺たち  作者: 春天アスタルテ
第十六話 少年とノブオ
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少年とノブオ③


 こうして、ノブオは少年について昇降口から再び校舎の中へと入った。


 勝手知りたる少年の足取りは軽く、さっさと廊下を進むと階段を登り始める。ノブオもその後を追うようにして、同じく階段を登る。


「さっきは本当に驚いたなぁ! ウサギ小屋だし、あの時間に大人が入ってることなんてないから、もしかしたら怪人かなって!」


 少年のご機嫌はいいらしく饒舌じょうぜつだった。


 だが、今日一日の疲れの上にこの階段を登るのは、ノブオにとって非常にきつい。


「……はぁはぁ、ウサギ小屋って……何かあるの?」


 息切れとショッキングな出会いによってノブオは話に集中できないが、とりあえず単語を拾って繰り返すように尋ねる。


「河ノ沼小学校七不思議のひとつで、夜になるとウサギ小屋のウサギが一匹増えていて、それが実はウサギじゃなくて人面犬なんだって!! まぁウサギ小屋に怪人が出るって話はないんですけどね」


「はぁはぁ……河ノ沼小学校七不思議……そういえば、そんなのもあったなぁ……」


 ノブオは独り言のように応えた。


「えっ!? おじさんも知ってるの!? 七不思議!!!」


「……はぁはぁ、えっ? あぁ……あっ、そう! おじさんもね、ここの小学校の卒業生なんだよ! そうそう……おじさんも昔は怖かったなぁ……」


 変なことは言わないようにしなければ……とノブオは肝に銘じる。


「……おじさん、本当に卒業生?」


 さっきまでのテンションは嘘のように急激に下がり、そして少年はノブオを怪しむ。



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