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追憶の俺たち  作者: 春天アスタルテ
第十六話 少年とノブオ
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少年とノブオ②


 一瞬じっと見ると向こうと目が合ったような気がした。


 すると、人影は何か気が付いたようで小屋の扉までやってくると話しかけてきた。


「おじさん、誰? そこで何をしてるの?」


 緊張し強張った、少年の声だった。


 けれど、お互いの姿がわかると二人はちょっと、ほっとしたようになる。


「あぁ、俺は今日一日、用務員の仕事を手伝っていたんだ。今はウサギ小屋のね、内側にあった穴を埋めていたんだよ。君こそ、もう暗くなるのに、どうしたの?」


 ノブオは答えながらウサギ小屋の外に出ると、その鍵をかけた。


「なんだぁ。びっくりした……てっきり怪人が出たのかと思ったよ……あっ! そうだ! 俺、教室に忘れ物しちゃって……どうしても取りに行きたいんですけど、昇降口がもう鍵、閉まっちゃってて……」


 近づいてきた少年を改めて見たノブオはものすごく驚いてしまった。


 驚き過ぎて声が出ない。


「あの、どうしても大切なものなんです。なんとか鍵を開けて……えっ? おじさん、どうしたの?」


 ぎょろっとした目をさらに血走らせ、じっとりおでこに汗をかいているノブオの様子に、少年も固まった。


 変な間があって、ノブオは意識を取り戻した。


「あっ、あぁ……忘れ物ね……暗くなるし、心配だから一緒に行ってあげるよ」


「本当!? やったぁ!! 開けてもらっても一人じゃ怖いなぁって思ってたんだ! よかったぁ。おじさん、ありがとう!」


 跳ねるように昇降口へ走っていく少年の後姿を見やるノブオの額から、また一筋の汗が滴った。


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