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少年とノブオ①
真っ赤な夕暮れになった。
手元が暗くなってしまいそうなので、ノブオはスコップとそこにあった懐中電灯も持ち出す。
ウサギ小屋に入ると一段と動物特有の臭いが鼻についたが、ちょこちょこ動く姿は可愛らしく、その両方が相まって懐かしさがこみ上げてくる。
「今、穴を埋めてやるからな。だめじゃないか、こんなに大きくあけちゃ……」
近くにいた一匹に話しかけつつしゃがむと、スコップで土を集めて埋めていく。ついでに他にもあった小さな穴も埋めた。
「ふぅ……これで全部だな……なっ?」
立ち上がりチェックして、ウサギにも確認してみる。
だが、ノブオには関心を示さないウサギたちは変わらずちょこちょこ跳ね、細かく鼻をひくひく動かすだけだった。
「そんなに何の臭いを嗅いでいるんだい? まぁいいけど……はぁーあっ!」
腰を伸ばしてから両腕を天に突き上げ、うーんと伸びをした。
「よしっ! 帰ろう!! うん……?」
小屋の外側、ちょっと離れたところに小さめの黒い人影がある。こちらを訝しんでいる、となんとなくわかる。




