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追憶の俺たち  作者: 春天アスタルテ
第十四話 翌日、起きる
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翌日、起きる②


 けたたましく畳のその辺に直置きされていた黒電話が鳴り出した。


「ああ!! 俺、出ます!!」


 自然と体の動いたノブオはとっさに本体ごと電話をつかんだ。


 受話器を耳に当て、正座する。


「もしもし? フクダ……あっ、仙田でございます」


「私、メリーさん」


 不自然な高い声だった。


「はっ?」


「私、メリーさん……今、敏也の家にいるの。今から……」


「知りません!!!」


 ガチャン、チーン……


 聞いたことのある声……知らないわけがない。ノブオには覚えがありまくりだった。


 間違いなく、生米とツメをギチギチに詰められた、あのビニール人形のメリーさんだ。


 そうではあったが本能がそうさせたのか、体が勝手に動いて受話器を置いてしまった。


「んっ? 誰だぁ?」


 ちゃぶ台に目玉焼きの皿を置いた仙人は、同じく置いたお椀にインスタントみそ汁を準備している。


「あっ、いや……間違い電話だったみたいで……あっ、お湯を沸かさないと! 食後のお茶用にも多めに沸かそうっと」


 明るく振舞うよう心がけ、ノブオはやかんに水を入れ火にかけた。


「んっ、んっ……そうかぁ、間違いかぁ……」


 ぼやくように言って仙人はそのまま、ちゃぶ台のところへ座った。



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