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翌日、起きる②
けたたましく畳のその辺に直置きされていた黒電話が鳴り出した。
「ああ!! 俺、出ます!!」
自然と体の動いたノブオはとっさに本体ごと電話をつかんだ。
受話器を耳に当て、正座する。
「もしもし? フクダ……あっ、仙田でございます」
「私、メリーさん」
不自然な高い声だった。
「はっ?」
「私、メリーさん……今、敏也の家にいるの。今から……」
「知りません!!!」
ガチャン、チーン……
聞いたことのある声……知らないわけがない。ノブオには覚えがありまくりだった。
間違いなく、生米とツメをギチギチに詰められた、あのビニール人形のメリーさんだ。
そうではあったが本能がそうさせたのか、体が勝手に動いて受話器を置いてしまった。
「んっ? 誰だぁ?」
ちゃぶ台に目玉焼きの皿を置いた仙人は、同じく置いたお椀にインスタントみそ汁を準備している。
「あっ、いや……間違い電話だったみたいで……あっ、お湯を沸かさないと! 食後のお茶用にも多めに沸かそうっと」
明るく振舞うよう心がけ、ノブオはやかんに水を入れ火にかけた。
「んっ、んっ……そうかぁ、間違いかぁ……」
ぼやくように言って仙人はそのまま、ちゃぶ台のところへ座った。




