翌日、起きる①
「ノブオぉ、起きろー。んっ、ノブオぉ。もう昼だぁ」
「うっ……うぅ……ん」
何度か呼びかけられノブオはしぶしぶ重い体を半分起こした。薄い座布団を三枚並べて寝ていた腰はどんより痛い。
目ヤニと寝ぼけでぼんやりしている視界に目を凝らすと、その先で仙人は一口コンロに立って調理しているようだった。
「んっ? 起きたか? 今たまご焼いてるからな。んっ、そこのテーブル、用意してな」
ちらっとこちらを振り向いて様子を確認した仙人はすぐにフライパンへ向き直る。
「へっ? たまご……あぁテーブルって……」
このちゃぶ台のことか……壁際で足がたたまれ、さらに小さくなっているのを見て思い出した。
頭のところに置いてあった眼鏡をかけてちゃぶ台をセットすると、布団代わりだった座布団を二枚配置する。
そして仙人の横に立ってノブオはフライパンをのぞいた。
「目玉だ……!! しかもちょっと固めのいい塩梅で」
「んっ!! たまごを焼くのはな、火加減と時間の勝負だ! んっ、顔を洗いなさい」
言われたノブオは小さな食器棚の上に眼鏡を置き、コンロ横の流しで顔をゴシゴシ洗う。
「ぷっはぁー!!!」
ビッチョビチョの手で流しのところに引っ掛けてあったタオルをつかむと、またゴシゴシふいて首に巻いた。
「んっ、豪快でよろしい。じゃ、遅い朝ごはんにしようかぁ……」
一つの皿に目玉焼きを二つ慎重にのせ、それを持って仙人がちゃぶ台の方へ移動しようとした。
ジリリリリン!! ジリリリリン!! ジリリリリン!!




