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仙人の部屋①
おじいちゃんに連れられ歩いて行くと“コーポ仙田”という名前の二階建てアパートに着いた。
一階の階段のすぐ裏、一番手前の部屋で立ち止まる。ドアには仙田と紙に手書きで書かれたものが表札として貼られていた。
おじいちゃんはポッケを探り、鍵を取り出す。銀の鍵穴にゴリゴリッとさし、カチャッと回した。
おじいちゃんはさっと中に入った。続いてノブオもそっと玄関に入る。
玄関の右横に小さな流しのある六畳一間の部屋だった。
「ちょっとそこで待っててな」
小さなタンスからおじいちゃんはタオルを出し、ノブオに渡す。
「あっ、ありがとうございます……」
「んっ……」
続いてしばらく押し入れを探ると下着と作業着を出した。
「俺が昔、着てたやつでな。お前さんにやるよ。着替えなさい」
「ありがとうございます」
ノブオは頭から順番に足まで拭き、おじいちゃんのお古に袖を通す。サイズは思ったほど小さくなく着心地もよい。
着替え終わったノブオは小声でお邪魔しますと言って玄関から中に入り、畳のところの小さなちゃぶ台を前にして座った。
「んっ……お前さん、名前はなんていうの?」
流しの横にある一口コンロにやかんを置き、湯を沸かしているおじいちゃんが背中越しに尋ねた。




