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追憶の俺たち  作者: 春天アスタルテ
第十話 出会いと救い
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出会いと救い③


 土下座ポーズのノブオの横で、いつの間にか現れたおじいちゃんがしゃがんでいる。おじいちゃんは自分の傘にノブオをそっと入れていた。


「こんなに濡れて風邪ひくぞ? 俺ん家に来るか? んっ、こんな雨じゃ、お地蔵さまもまんじゅう食わねぇだろうから、持って帰ろうか。んっ、お地蔵さまも許してくれるだろうて……」


 おじいちゃんに促されノブオも立ち上がった。


「うっ……うぅ……あぁー!!!」


 緊張の糸が切れたノブオは大声を上げ、泣きじゃくる。


「おぉ、おぉ……かわいそうに、えらかったなぁ……んっ、んっ……大丈夫だからな」


 今の天気と同じように涙を流し続けるノブオの濡れた背中を、小さなおじいちゃんは大丈夫、大丈夫と言いながらさすった。


「えっ、えっ……ぐっ……」


 ノブオはだんだん落ち着いてきた。


「なっ? んっ、大丈夫なんだ。行こうか」


 おじいちゃんとノブオは歩き出す。


 おじいちゃんはノブオをずっと傘に入れてくれていたので、ノブオはそっと傘の柄を持つと、さりげなくおじいちゃんと交替した。


 ノブオも背は高くないが、おじいちゃんの方が小さい。傘はちょっとだけ上に上がった。


 二人は特に会話することなく、雨の中を歩いていく。


 すると暗かった空はさらに暗くなり、すっかり日が暮れたことがノブオにはわかった。


 おじいちゃんと出会ったことで時間が動き出したのだ、と体のどこかでノブオは感じているのだった。



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