出会いと救い③
土下座ポーズのノブオの横で、いつの間にか現れたおじいちゃんがしゃがんでいる。おじいちゃんは自分の傘にノブオをそっと入れていた。
「こんなに濡れて風邪ひくぞ? 俺ん家に来るか? んっ、こんな雨じゃ、お地蔵さまもまんじゅう食わねぇだろうから、持って帰ろうか。んっ、お地蔵さまも許してくれるだろうて……」
おじいちゃんに促されノブオも立ち上がった。
「うっ……うぅ……あぁー!!!」
緊張の糸が切れたノブオは大声を上げ、泣きじゃくる。
「おぉ、おぉ……かわいそうに、えらかったなぁ……んっ、んっ……大丈夫だからな」
今の天気と同じように涙を流し続けるノブオの濡れた背中を、小さなおじいちゃんは大丈夫、大丈夫と言いながらさすった。
「えっ、えっ……ぐっ……」
ノブオはだんだん落ち着いてきた。
「なっ? んっ、大丈夫なんだ。行こうか」
おじいちゃんとノブオは歩き出す。
おじいちゃんはノブオをずっと傘に入れてくれていたので、ノブオはそっと傘の柄を持つと、さりげなくおじいちゃんと交替した。
ノブオも背は高くないが、おじいちゃんの方が小さい。傘はちょっとだけ上に上がった。
二人は特に会話することなく、雨の中を歩いていく。
すると暗かった空はさらに暗くなり、すっかり日が暮れたことがノブオにはわかった。
おじいちゃんと出会ったことで時間が動き出したのだ、と体のどこかでノブオは感じているのだった。




