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出会いと救い①
雨は小降りになるどころか大粒のまま真っすぐに降り続ける。
途方に暮れたノブオは頭を守るのをあきらめ、とぼとぼとあてどなく歩き続けていた。
時間の感覚がまるでわからない。かなり歩いている気がするが同じところをぐるぐる回っているようで、そこの公園もケーキ屋も本屋も、もう何度も見かけているような……
それに人とすれ違わない。いくら雨が強く降っているからといって、こんなにも外出を控えるだろうか。
不思議な世界に迷い込んでしまった。
でも、なんだかとても懐かしい。ぐるぐる回っているせいか、ここら辺一帯をよく知っている気がしてきた。夢の中にいるのだろうか。きっと夢を見ているんだ……
だが夢にしては、体は非常に疲れを感じている。
ちょうど目の前にバス停の標識が立っていた。その標識の棒をつかむと、ノブオはずるずる落ちるようにしてしゃがみ込んだ。
「はぁぁ……もう動きたくない……」
しゃがんでいるのもつらいので、棒の横に尻をつけ座った。棒に寄りかかり車道側を背にして体育座りの姿勢をとる。そうしてしばらく小さく丸まっていた。
「んっ?」




