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女子たちとノブオ②
自然と腰に手を当て仁王立ちで便器を眺めながら、次に右手を顎に持っていく。
「で? 俺はどうすればいいんだ?」
ドンッ! ドンッ!! ドッ、ドンッ!! ドン、ドン、ドンッ!!!
「ひゃぁっ!!!」
急にドアは強く殴られ、驚いたノブオは小さく悲鳴を上げた。
「ねぇっ!! いつまで入ってるの!? 早く出てきなさいよ!!!」
「そうよ!! やっぱり花子さんなんでしょ!? あんた花子さんでしょっ!!!」
ドンドン叩き続け、叫んでいる。どうやら複数人の女子たちが集まっているらしい。
おそらく、ここが女子トイレであろうことはノブオにもピンときた。
そして荒々しいノックを聞きながら、ノブオはひとまず落ち着いて考えてみる。
アラフィフのおっさんである自分がここにいることはバレているのか。
いや、花子さんと何度も叫んでいるのだから、たぶん幽霊的な花子さんか、もしくは誰かしら女の子が入っていることを彼女たちは想定しているだろう。
では、俺がここから出ることは可能なのか。
彼女らの驚きは相当なものだろう。花子さんでなければ女の子ですらない、アラフィフのおっさんだもの。新しい都市伝説になるか、怪談になるか、捕まるか……
とてつもなく長い時間が過ぎたようで一瞬だったのかもしれない。




