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追憶の俺たち  作者: 春天アスタルテ
第九話 女子たちとノブオ
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女子たちとノブオ①


 お尻がひんやりする。どうやら冷たいイスに座っているようだ。


 すぐ正面はうす汚れた白い壁で……いや、よく見れば簡単な鍵が付いている。これはドアだ。


 薄暗いこの小さな部屋の下には隙間があいていて、右も左も横は狭く、正面ドアと同じ素材のすすけた白い壁に囲まれていた。そして左手には、トイレットペーパーのホルダーがあった。


「なんだよ。紙、ないのかよ……」


 左側の壁に付いた鈍く光る銀色のホルダーにはトイレットペーパーの茶色い芯だけで、ピロピロと心ばかりの、カスのような紙だけが残っている。


 ため息まじりに下を向くと、パンツをおろした自分の太ももが目に入り、だんだん古びたトイレ特有のねっとりとした臭いが鼻にまとわりついてきた。


 そう、ここはトイレだった。しかも公衆トイレのようでかなり古いだろう。


 ノブオはパンツをおろした状態で冷えた便座に座っていたのだった。


「トイレ……? なんで? ここはどこのトイレだ?」


 両手で頭を抱え、ぼんやりする頭で記憶をたどる。


(スティーヴン・イヤマの荷物を届けて……意山敏也がいて……ひとりかくれんぼモドキのメリーさんで……で?)


 一通り思い出すと顔を上げ、立ち上がった。


 念のため振り返り便器の中を確かめる。中には何もなく、一安心するとそのままパンツとズボンを一気に引っ張り上げた。


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