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始まりと儀式(2)③
真っ暗闇がノブオを包んだ。独りになってしまった。
(なんだ!? 何で敏也は急に飛び出したんだ!? この流れで倫子がそこにいるわけがないだろ!! いるとしたら絶対メリーさんで……まさか“ぃたいよ”を“会いたいよ”と……いやいやいや、ここは“痛いよ”だろうが!! 包丁で刺しといて、なんておめでたい奴なんだ!! ……どうなったんだろう、敏也。苦しそうだったな。まぁ、これでもしものことがあったとしても、まぁ……本望ってやつだろ。……ところで、俺は外に出てもいいのか? 俺は特に名前も呼ばれてないし。うん、ちょっと押し入れ開けて、外の様子を……)
感情が一通り駆け巡り妙に冷静になったノブオは、そっとふすまを引いた。
「ひゃぁぁっ!!!」
急いでふすまを戻す。ノブオはまた暗闇に返った。
そして必死にふすまの真ん中と端を押さえる。




