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追憶の俺たち  作者: 春天アスタルテ
第六話 準備する
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準備する①


 ノブオのつめ切りを終えたその後、敏也は粛々と準備を進めていく。


 ダンボール箱には儀式に必要なものがほぼそろっていたが、やはり“ひとりかくれんぼモドキ”を行う者、自らがやらなければならないこともあるようだ。


 敏也はまず、人形のメリーさんに米を詰める。


 メリーさんが着ている、すっかりくすんだピンクのひらひらしたドレスの背、マジックテープをペリペリッとめくった。


 すると、背中にはすでに切れ目が入っている。


 メリーさんの中は恐ろしく綺麗に、中が空洞になっていた。


 本来なら中にはゴムのような素材がぎっちりなはずだろうに、いったいどうやったのか、通販の送り主が先にほじくったのだろう。


 そこに入るだけの米を詰め、敏也とノブオの切りたてのつめも入れた。


 メリーさんの、中を掘られすっかり薄くなってしまった皮膚を破らないように慎重に、縫い針と赤い糸を使って背を閉じる。


 あまった赤い糸でその体をぐるぐるに縛り上げたら、もう一度ピンクのドレスをちゃんと着せた。


「すげぇな……俺にはとてもできそうにない……」


 足で物を蹴散らしながら黙々と作業していく狂気じみた敏也を、ノブオは物と同じく床でただ見ているしかない。


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