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追憶の俺たち  作者: 春天アスタルテ
第五話 メリーさんとツメ
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メリーさんとツメ③


 あきらめてくれたのだな、とノブオがほっとしたその時……


「えいっ!!!」


 急に振り向く敏也は、座っていたノブオの両肩を正面から力強く押した。


「ぎゃっ!!!」


 何事かわからないノブオはそのまま後ろにでんと転がる。ノブオの足の裏が天井を向いた。


「手がだめなら足だな!!! 覚悟ぉぉお!!!」


 叫ぶ敏也はノブオの足から靴下をはぎ取り、放り投げた。


「なにっ!? や、やめろ!!!」


 ノブオは必死に足をばたつかせる。しかし敏也の力は強かった。


「おとなしくしろ!!! でないと俺は何をするかわからんぞ!!! ノブオ!!! ケガだけじゃすまさねぇからな!!!」


 ものすごい剣幕と不穏な発言に、ノブオはぴたりと動けなくなった。


「なんだ……足のつめ、すげぇ長いじゃねぇか。ついでだから全部切ってやるよ。ほら、あぶねぇからちゃんと座れ」


 天井に両足の裏を向けひっくり返っていたノブオは、上体を起こして再び体育座りの姿勢をとった。


 そして促されるまま片方の足をのばすと、敏也はそっと持ち上げその足のつめを切り出した。


 パチィン……パチィン……


 静まりかえった部屋に、つめを切る音だけが響き渡る。


 意外にも敏也の仕事は丁寧で、ノブオの足はすっきりとするのだった。



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