敏也と倫子とノブオ①
「……なんだか壮大な話だな……はぁああっ!!」
つった足を気にしつつ、地面に座り込んで話を聞いていたノブオだったがその体勢にも限界がきた。立ち上がって上体をそらし、それからフンフンと腰を左右にひねる。
「いや、その後もなんやかんやあったんですよ、いろいろ!! で、気付いたらウサギにいじめられてたんです……うっ! あいつらまだ僕を狙ってやがる!!」
ウサギ小屋の金網越しに、じっとりとした複数の熱い視線を感じ取った人面ダックス犬ジュンジは小刻みに震える。
「それにしても……今いるこの四十年前というのは、俺が過ごしたものと100パーセント同じではないのか……ズレがあると言っていたよな? そうか、だから銭湯に行っても屋台のラーメンを食べても、全力で懐かしく思えなかったのか! お湯もラーメンの味も、何故か初めてのように感じるところがあったんだよなぁ……」
うんうんとノブオは一人で頷いた。
「あの……」
同じように座っていた倫子も立ち上がり、口を開く。
「今のお話だと、ジュンジさんはその飲料戦隊の五人兄弟に協力する形でここに来ていて、ノブオさんは仙田サブ郎さんに利用されるために連れてこられたってことですよね? そうすると、ジュンジさんとノブオさんは敵対関係ってことになりませんか?」
「おお! 俺とジュンジは敵になるのか!? あっ……」
何か思いついたノブオの表情は一気に曇った。




