商売敵と世界平和①
「そうだなぁ……じゃあ、まずは仙田サブ郎について話すのがいいか?」
コーラレッドはネクターピンクに同意を求めるようにそちらをチラッと見やる。そして、ネクターピンクは頷くと話をつづけた。
「そうね。サブ郎じいさんはこの”コーポ仙田”一階に住んでいる、私たちの父方の叔父にあたる人なのよ。うちの亡き父が仙田家の長男で、サブ郎じいさんは三男ね。そして”コーポ仙田”は父が相続した土地に建てたものなの。私たち五人兄弟で建物ごと引き継いで住んでいたんだけど、ある時、ふらっと現れたサブ郎じいさんが一緒に住みたいと言い出したものだから……ちょうど空いている部屋もあったし、それ以来、サブ郎じいさんはこのアパートに住んでいるのよ」
よかったらどうぞ、とネクターピンクはチャックのついているグミをジュンジに差し出す。
せっかくなので受け取り、パイン味のそれを噛みしめた。酸味でアゴの奥がキュンとなる。その様子を確かめたネクターピンクは満足げだ。
「あっ、おいし……なるほど、それで一階の階段裏のサブ郎さんも仙田さんなんですね。そういえば先ほど、スカッシュイエローさんが”悪いのはサブ郎じいさんなんだから”って言ってましたけど?」
さっきまでの緊張がいくらか和らいできたジュンジはスカッシュイエローに話を振る。
「あぁ、うん……」
スカッシュイエローはコーラレッドを気にするように、チラッとそちらを見る。




