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第24.2話 アルバム制作と再会2

小学生時分、自宅近所のピアノ教室に通っていた記憶を戸松は掘り起こす。

姉の紗枝も一時は両親に通わされていたものの、彼女にとっては不向きな芸事であったのか、早々に挫折をしてしまった。

戸松にとってピアノ演奏は性に合っていたのか、姉とは対照的に苦もなく練習に取り組むことができ、高学年になった頃には学校で行われる合唱コンクールで伴奏を任される程度の腕前にはなった。

尤も、ピアノ練習自体も楽しくはあったが、それよりも印象深く記憶に刻まれているのが、同じ教室に通っていた四方田らと遊んだ思い出である。

特に、四方田とはお互いの家に遊びに行くほどの間柄となり、作曲というにはお粗末ではあるものの、オリジナルのメロディを作成し、それに楽器演奏をあてて遊んだり、将又、公園遊びやTVゲームに勤しんだりもしていた。

思い返せば、二人で作曲の真似ごとをしていた原体験が、今こうして戸松を作曲家たらしめているのかもしれない。

中学生になってからは、学校生活や部活が忙しくなり、ピアノ教室からは自然と足が遠のいていった。そのまま四方田とのかかわりも自然消滅し、その後の彼女の動向は知るべくもなかった。


幾ばくかの時間、ついつい回想にふけってしまったが、いつまでも過去に浸っている訳にもいかないと思い直し、戸松はメールに記載されている彼女の携帯番号へ架電する。

「……はい、どちらさまですか?」

見知らぬ番号からの電話に警戒をにじませ、四方田と思しき女性が応答する。

「久しぶり四方田。小学校のころ一緒にピアノやってた戸松だよ。元気してる?」

「……えっ、あの戸松君?なんで私の番号知ってるの?」

戸惑いを隠せない声色で、四方田が疑問を投げかける。

「KYUTEプロデューサーの田中さんから聞いたんだよ。実はKYUTEの音楽を今作っているのは俺なんだよね」

「え?Tom^2って戸松君だったの?」

四方田の声のトーンが、戸惑いから驚きの色合いへと変化する。

「そうそう、”とまつ ともひさ”でTomが二つってね。とりあえず、田中さんから聞いているとは思うけど、今度アルバムを出すにあたって四方田が作った曲をアレンジすることになったんだ。それで、インディーズ時代の楽曲作成者に制作現場を見せてあげてほしいって言われてね。それで作曲者の情報を貰ったら、まさかの四方田で、こっちも吃驚したよ」

戸松の言葉に、私もだよ、と四方田が同調する。

その後は思い出話に花を咲かせ、最後は制作風景見学の段取りもとんとん拍子に整っていった。

歳を重ね、お互いに変わったところは多かったものの、最後は依然と変わりなく話が盛り上がる関係に戻れたことに戸松は喜びを禁じえなかった。


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