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第4話 レコーディング

登場人物おさらい(KYUTE)


新垣千里あらがきちさと

アイドルユニットKYUTEのリーダー。

美人でかつカリスマ的存在として認識されているが、本人はリーダーとしての責務を過剰に背負い込み、胃の痛い日々を送っている。

ハイトーン系が得意でリードボーカルを担当することが多い。


香坂こうさかしずく

アイドルユニットKYUTEの一員。

ユニット内ではクール系キャラの立ち位置。

もともと新垣、種田、須川の3名で活動していたところに追加加入する形となった。

戸松の元彼女。



種田優美たねだゆみ

アイドルユニットKYUTEの一員。

メンバーの中では元気系の属性に位置し、ダンスを含む運動全般が得意。

歌の実力はそこまでないが、かつてピアノを習っていたため、音感やリズム感は秀でている。


須川彩奈すがわあやな

アイドルユニットKYUTEの一員。

声楽を学んでいたこともあり、歌唱力はメンバー内で突出している。

ユニット内での立ち位置はどんくさいお姉さんキャラ。


「おはようございます」

最初の顔合わせから3日目の昼過ぎ、眠さをこらえつつ戸松はレコーディングスタジオへ入る。

夜を徹し朝方までラフアレンジの作成に取り組み、その後小一時間の仮眠しか取れなかった戸松の体は悲鳴を上げていた。


「おう、おはようさん。ラフアレンジをレコーディング前に作ってくれてありがとうね。何とか完成形をイメージしつつ歌入れできそうだよ」

先行して入室していた田中も疲れた表情で応答する。


「いえ、結局2番からラスサビにかけては丸々1コーラス目のコピペになっちゃいましたし、アレンジはこれからが佳境ですね。とりあえず、今回は作曲、編曲作業に集中させてもらって助かりました。作詞や仮歌まわりも全部お任せしちゃってすみません」

「いやはや、現場を知らない人間が上に立つって本当に厄介だよなぁ。本当に苦労をかけたね」

「自分もこんなハードなスケジュールは初めてですよ。あと、メロディやBPMを完全フィックスしてのアプローチなんていうのも初めての経験でしたし。いい経験にはなりましたけど、こんなのは最初で最後にしてほしいですよね」

二人して苦笑いをする。


「レコーディングで初めて歌詞を見る音楽プロデューサーっていうのも変な話ですけど、どんな仕上がりになっているんですか」

「あぁ、なかなかいい感じに仕上がったよ。実は香坂ちゃん……この前最後に挨拶していたクール系の子ね。彼女が作詞にチャレンジしてみたいって言ってね。彼女作詞の実績もあるし、話題性も考えて起用してみたんだ。あ、もちろんタイトスケジュールだったこともあって、実績ある作詞家のサポートをつけようっていうことで、惟子ちゃんにも参加してもらったんだけどね」

途端、戸松の眠気が霧散し、毛穴から汗が吹き出る。


「……そうなんですね。歌詞を見たいんですけどいいですか?」

「はいよ、惟子ちゃんも筋がいいって褒めていた程ぐらい、彼女、作詞の才能あるかもね」

戸松の目に飛び込んできたのは、”いつもの公園で告げた別れの言葉”や”君はあの二人の時間をなかったことにするのね”といったワードであった。

途端、当時の情景がフラッシュバックし、同時にこの詩が戸松への意趣返しであることを察知する。


(事情が事情とはいえ、二人の思い出が結果として作詞のネタになってしまった上、先日の対応も合わさると、こうなっても仕方ないよなあ……)

読んだ瞬間は動揺してしまったものの、香坂の行為を憎からず思ってしまう。

彼女がこうしてアンサーソングたりうる歌詞を書いてくるということは、どのような感情であれ、戸松を意識しているということに他ならないのだから。


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