第22.4.8話 父娘4.8 -the Past of Ayana-
長い打ち合わせを経て両者の条件のすり合わせが終了した頃には、すっかり夜の帳が下りていた。
「いいね、私たちいいタッグになりそうじゃない!」
カフェを出て早々に伸びをする種田は晴れやかな表情をしている。
「そうね、みんなと話をして私もインスピレーションが湧いてきたわ。待っていてね、いい曲を頑張って作るから」
最初はオドオドしていた四方田も、長い打ち合わせの中ですっかり打ち解けた模様である。
「そうね、楽しみにしているわ。改めてよろしくね、四方田さん」
笑顔を向けると、四方田ははにかんだような笑顔で応じる。
「よかった。こうしてみんなを引き合わせたのがいい方向に作用しそうで」
香坂もホッとした表情を浮かべる。
そして、香坂の言葉通り、オリジナル曲も歌い始めた3人のユニットは瞬く間に人気が上昇していき、小規模のライブハウスであれば満員御礼となる程にまでファンが増加した。
「ねぇ、いい加減ユニット名決めようよ。こうして人気も出てきたんだし、いつまでも名無しって締まらないじゃん!」
ライブ活動に熱が入り忙しくも充実した日々を送るさなか、打ち合わせのため5人で集まったファミレスで種田が突如言い出す。
「たしかにユニット名はあった方がいいわね。なんとなしに始まった活動だけど、こうして活動頻度も増えてきた折、お客さんに親しんでもらうためには必要な要素よね。どんなのがいいかしら」
そう言いつつ、横を見やると香坂、四方田も共に思索にふけっており、キャッチーかつ覚えやすい名称を絞り出そうとしている。
「……あ、こんなのってどうかな。Cuteの単語を捩ってKYUTEっていうの。こうして私たちの人気が出てきたのって、しずくと香苗ちゃんのおかげじゃない?二人のイニシャルのKとYを貰ってKYUTEってね」
新垣がやや恥ずかしそうに発案する。
「うん、それいいと思う!かなちゃんとしずくは、私たちにとって最早なくてはならない存在だもんね」
「私も賛成よ。すごくいいと思う」
二人して諸手を上げて賛成すると、照れているためか、香坂と四方田の両者とも若干頬が紅潮している。
ユニット名も決定し、これからの活動に向けてモチベーションが高まるばかりであった。
そのうち物語が一服したらKYUTEの人気が上昇するまでのプロセスもサイドストーリーで描写したいところです……




