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第22.4.3話 父娘4.3 -the Past of Ayana-

大学祭を終えて以降、大学内の小ホールやライブハウスを時折借用し、ライブ活動に奮励する。

有名アイドル達のコピーがパフォーマンスの主軸であることには変わりないものの、3人ともやや小慣れてきたこともあり、大半の楽曲においてオリジナルよりも質の高いパフォーマンスを披露できている自負はあった。

観客には大学祭時分からのファンもいれば、彼ら彼女らに布教をされ新規に彼女らを観に来る人もおり、来客は漸次にその数を増していく。


「ねぇねぇ、だんだん来てくれるお客さん増えてきたよねー。といっても、まだまだほとんど身内だけどね。それで思ったんだけど、こうしてコピーをやり続けるだけでいいのかな、私たち」

3人で次のステージに向けての打ち合わせを始めた折、種田がふと呟く。

種田が口にした内容については、新垣、須川の両名ともに感じていたところであり、胸の内に漠然と積みあがっていたモヤモヤを白日の下にさらす。


「だってさ、私の希望でやったっていうのはあるんだけど、” アネモネの花は暁に消えゆく”みたいに、パフォーマンスがどんどんディープな方向に走っちゃっているわけじゃん。このままだと遠くないうちに行き詰まっちゃうよね」

「そうね、優美の言うことは私も思っていたわ」

「私もかな。今回は盛り上がってくれたけど、いつこのパターンが飽きられるのかって思うと油断はできないわね」

3人の意見はまとまっているものの、直ぐに打開策を思いつかず、3人で首を傾げる。


「ねぇ、彩奈、優美。そろそろオリジナルの曲とかやってみない?どう作っていくのかはこれから要相談だけど」

やや間をおいて新垣が打ち出したのは、アイドル活動を行う者であれば自然と至る着想であった。


「まぁ、そういう考えにやっぱり行きつくわよね。何かしら独自性でお客さんを引き付けなきゃいけないっていうのは尤も至極な発想だわ」

「うん、オリジナルいいじゃん!で、制作のあてはあるの?私たち誰も曲とか作れないよね?」

種田の疑問は至極尤もなものであるが、その答えを見つけるのは容易いものではない。

ピアノをかつて習っていた種田でさえ、コード進行のイロハや、メロディーメイク、アレンジでの音色選びや楽曲構成の組み立てについては完全なる素人である。

よく小説や漫画では、「自分たちで曲を作ろう」などと言って商業レベルの楽曲をあっさり制作してしまう描写があるが、そんなことはフィクションでしかあり得ない。

衣装でさえも、既製品を服飾が得意な知人に頼み込んで一部加工してもらっている状況であるが、所詮はアマチュアだからこそ許されるような出来栄えである。


「私も今の段階では、優美の疑問に持ち合わせる回答はないかな。とりあえず、何かしらの手がかりを探してみるから、二人も何かしらアイディアを考えてくれると嬉しいな」

新垣の一言で、一先ずこの問題は先送りと相成った。

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