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第22.3話 父娘3

翌日、会議室に呼び出した須川を田中と戸松の二人で迎え入れる。

入室してきた須川の目元は軽く腫れ上がっているものの、田中から聞き及んでいた様相よりかは随分と落ち着いている。

冷静な話し合いが出来そうだと戸松が安堵しているうちに、須川が二人に向き合うようにして座席に腰掛ける。


「おう、須川ちゃん。わざわざ来てもらって悪いね。少しは気持ちも落ち着いたようで何よりだ」

田中の言葉に須川がコクリと頷く。

無難な滑り出しにホッとしつつも、これからどのような飛び道具が出てくるのか、田中と戸松の両者は身構える姿勢を維持する。


「さて、それじゃあ話を聞こうか。……とその前に、見ての通り、今日はとまっちゃんにも来てもらっている。プロデューサーという責任ある立場でありつつも、須川ちゃんと年齢が近しくて話を聞きやすいかなと俺が判断してのことだ。差し障りあるなら外してもらうが、どうする?」

田中の問いに、須川は是非一緒に聞いてくださいと返す。

実際のところ、戸松の参加を須川が是認することは織り込み済みであった。

わざわざ質問をすることで彼女に選択肢を与え、須川のことを慮っている姿勢を見せているという印象を与えようという目論見である。

尤も、彼女の表情は特段変わらず、頭の中で実際は何を考えているのか、戸松には推し量る余地もない。


「分かった。ゆっくりで構わないんで、お父さんからKYUTEをやめるように言われた経緯を教えてくれ」

田中の促しに須川が頷くも、言葉を選んでいるのか、わずかばかりの静寂が会議室を支配する。


「……はい。ご存じかもしれませんが、私の父はここに役員として出向で来ていまして。まぁ、私はKYUTEに入ってからずっと父を避けていたので、こんなところにいるなんて昨日初めて知ったんですけどね」

束の間の沈黙を破り須川が先ず口にしたのは、彼女と父との冷たい関係性。

口を歪めて冷笑する彼女の姿に、戸松は思わず身震いをする。

そして、彼女の独白が始まった。


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