第18.3話 疑義3
フェスに向けての練習も佳境を迎え、基幹スタッフも総出で連日スタジオへ入り浸る。
当然ではあるが、フェスはKYUTE以外を目当てにする客が多く来場するため、新規ファンを獲得するにはもってこいの場所である。
デビューしたてのアイドルに期待する客などほとんどいないからこそ、質の高いパフォーマンスを見せることができれば、そのギャップで多大なインパクトを与えることができる。
KYUTEメンバーもスタッフもそのことを理解しているからこそ、練習にそそぐ熱量は尋常でなく、スタジオ内は常にひりついた雰囲気で満たされていた。
「あの、戸松さん。少しよろしいでしょうか」
正午過ぎの休憩時間、めいめいが食事をとりに出かけているなか、須川が戸松を呼び止める。
「大事な話が少しありまして……。ここで話せない内容でかつ、結構時間がかかりそうな感じなので、適当に店とかでお話できればと思うのですが……。今日の夜ってお時間ありますか?」
「えぇ、まぁ大丈夫ですけど」
須川の真意がつかめず戸惑いつつも了承する。
「ありがとうございます。スキャンダル騒ぎなってもマズいですし、場所は信頼できるところを私の方で都合つけておきます。メッセで場所を送っておきますのでよろしくお願いします」
その発言の5分後には落ち合う店の名前が戸松のスマホに送られてきた。




