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第17話 すれ違い

戸松がフェス参加に向けての準備にかかりきりのうちに、MV撮影、CD発売、リリースイベントはあっという間に過ぎ去っていった。


「ふぅ……。ようやく落ち着いたと思ったら、今度はフェスかー。人気が出るのはうれしいけど、少しはのんびりしたいよね」

フェスでの段取り確認のため集まった会議室で、種田が冗談まじりにこぼす。


「たしかにな。いくら今が売り時とはいえ、君たちを酷使し過ぎているきらいはあるよな」

KYUTEデビュー決定以降ずっと繁忙を極めている田中が、種田の言葉に対しジェスチャーを交えて大仰に賛同する。


「とりあえず、フェスが終わったら少し休暇をとれるよう上へ掛け合ってみるからもう少し耐えてくれ。さすがに俺もここまで忙しくさせるのは心苦しく思ってるんだ」

すっかり疲労困憊した口調の田中の言葉に、KYUTE一同ほっとした表情を浮かべる。


「んじゃ、ちょっと休憩。10分後にまたここに集まってくれ」

30分ほど説明を行ったところで、各員の疲れを察知したのか、田中が休憩の指示を出す。

KYUTEの面々も流石に個人の時間をつくりたいのか、めいめい部屋を出ていく。


「ふぅ……」

疲れたようなため息を、それでも周りのスタッフを心配させまいとひっそりとつきながら香坂が退室する。


(……このタイミングはどうかと思うけど、今はチャンスかもしれない)

先日の北山の言葉を思い返しつつ、周りから不自然に見えないよう気を配りながら香坂の後を追う。


「……あ」

香坂からすればあからさまに見えたのか、廊下での歩みを止め戸松へと振り返る。


「あの、しずく……。あのさ」

周りに誰もいないことを確認しつつ、どのような言葉をかければいいかまとまらないまま勢いで言葉を紡ぐ。


香坂は口を真一文字に結び、瞳を揺らめかせていた。


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