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第15話 露見

「お、買い出しお疲れさん。家にあった材料でつまみの足し準備しておいてたよ」

戸松が近所のコンビニでの調達業務を終え自宅に戻ると、我が物顔で自宅の冷蔵庫を物色していた北山がしたり顔を見せる。


「一体全体何しているんですか。あれ、香坂さんは?」

「テーブル回りの準備をしてもらっているよ。いやぁ、今日はちょっといじめ過ぎちゃったかな?」

「惟子さんにしては珍しく、ずいぶんと気合入れて指導していましたね。前回の時はあっさりとOK出していたのに」

「まぁ、前回は時間の制約がきつくかったから、最低限のクオリティでOKを出さざるを得なかったし、しずくちゃんにも期待していなかったしね。ただ、今日一緒に作業してみると、しずくちゃんには伸びしろがあるなってふと思ってさ。私からに限らず、あの子がこうして作詞のサポートを受けられる機会なんて、もうそんなに多くないじゃん。叩き込めることはたたきこんでおきたいなって。尤も、ビシバシやりすぎて折れちゃってもいけないし、匙加減が難しいわね」

北山の表情がいつになく優しいものになる。


「今日の様子だと大丈夫そうですけどね。惟子さんの思いは伝わっているとは思いますよ」

「だとうれしいかな。ま、とりあえず智久君もあの子のことフォローしてあげてね」

「はいはい、了解しました。ところで、その優しさを少しは俺に向けてくれてもいいんですよ」

「そんな……、こんなにも私はトモに愛を捧げているのに、どうして分かってくれないのだろう……」

「いや、ホントすみませんでした。その呼び方は勘弁してください」

軽口をたたいた途端、思わぬカウンターパンチを浴びせてくる北山に、戸松は一生勝てる気がしないと痛感する。


「んじゃ、酒もつまみも揃ったし、しずくちゃんのところに行きますか」

意気揚々と歩みを進める北山に、戸松はただただついていくことしかできなかった。


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