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2話:里見敬之が真田屋を辞め横浜へ

「その外国人が、日本語で大丈夫、怪我はないかと聞いたので驚いた」。

「そして真田屋の番頭に、すみませんでしたと言い、お金を渡した」。帰り際、ごめんなさいと言い、帰っていった。その人が、アーネスト・サトウとは、その時は、全くわからなかった。その後、横浜の商売相手の店に行って番頭さんが注文を取っている所を見ると、にこやかであった.


 ところが価格の話では、かなり激しい価格交渉が続いた。最終的には買い手の外人さんの言いなりの価格に収まった。1泊して翌日の帰り道16時過ぎ、暗くなりると峠道の脇から数人の人相の悪い男たちが、物陰から出てきた。

「そして、大声で、命が惜しければ、有り金を全部だしなと、すごんだ」。すると、間髪をいれず、同行していた、お侍さんが、真剣を抜いて、人相の悪い男たち顔の前に刃を向けた。


 そのお侍さんが、お前らこそ、

「首と胴体が、別れる前に立ち去れ、さもなくば、命は、ないと怒鳴った」。

「次の瞬間、先頭の盗賊の片腕を一刀両断し切り落し血しぶきが上がった」。

「それを見て盗賊は、血相を変えて、逃げていった」。

その後、番頭さんが、

「お侍さん、ありがとうと言うと、なんのこれしきと言い刀を収めた」。


 そして、夕方19時には、真田屋に到着した。しかし、この晩、里見敬之は、夢の中に、盗賊の襲われた場面が現れ、お侍さんが、盗賊にやられて、自分たちも殺される夢にうなされて、目覚めた。里見は、生まれて初めて、生きた人の腕を切り落とす場面を見て、震えがった。やがて4月、暖かくなり、真田屋の給金をためた金を持って横浜の店で働こうと決心した。


 翌日、真田屋の番頭を通じ、お願いし了解してもらった。2日後、番頭さんが横浜に行く時、ついて行った。その晩、番頭さんと夕食をとって、1泊、宿に止めてくれ、番頭さんが、俺にできるのは、ここまでだと言った。里見に、くれぐれも体に気をつけてなと言い、もし、駄目なら、すぐ、鑓水に帰って来いと優しい言葉をかけてくれた。


 番頭さんにお礼を言い、宿で別れ、横浜港へ向かった。すると、以前、ぶつかった外人さんが、里見の方にやって来て、久しぶりと言い、今日は、1人かと聞き、何しに来たと声をかけてくれた。立ち話も変だから、お茶屋に入ろうと言い、座って、話を聞いてくれた。そうか、横浜で仕事したいのかと言うと、年は、いくつと聞かれ、12歳と答えた。


 しかし、簡単に、雇ってもらえないぞと言った。あなたから、日本人の商人の店に雇ってもられるように、話してもらいえないだろうかと言うと、なんで、横浜で、商売したいのかと聞き返した。その質問に対し、

「自分は、英語を習って、外人さんと価格交渉のできる立派な一人前の商人になりたい」と言った。

「できれば、自分の目で、世界を見てみたいと話した」。


「それを聞いたサトウは、そんな大きな夢を持っているのかと感心した」。

「それには英語を身につけなければいけないと言った」。

「わかった、できるだけ、協力してやろうと言い、サトウが、私についてきなさいと言い、お茶屋を出た」。

そして、横浜の街に入り、大きな日本人の生糸商人の店を訪ね始め、最初に吉田屋の訪ねた。


「1軒目の吉田屋の店主、吉田幸兵衛に話すと素性のわからない若者を雇えないと断られた」。

「2軒目の亀屋の原善三郎は、サトウさんには、世話になっているから、雇ってあげたい」。

「しかし、何せ、商売が忙しくて、小僧さんを教育している暇がありませんので、勘弁してくれと言われた」。

「3軒目、野沢屋では、茂木惣兵衛が里見の顔を見て、いくつだねと聞くと12歳と答えた」。

「そうか、私が、最初に奉公に出たのも12歳だったと言い厳しい修行だがついてこられるかと聞いた」。

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